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2019年03月04日01:46

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「グリーンブック」

 
最高!!

昨秋から予想熱の下がっていた私は、毎年恒例のアカデミー賞予想を、今年はアップしなかった。
もしも、2月25日に行われた同賞の発表前に本作が公開され鑑賞していたなら、予想を止めたりしなかっただろう。
この 「グリーンブック」 を、作品賞の本命に挙げたくて。
予想を当てたいのではなく、応援したくて。

結果は周知の通り、【作品賞】 【助演男優賞】 【脚本賞】 と主要3部門を受賞。
嬉しいのは、私などのように年に軽く百本以上観る映画ファンならアカデミー賞に輝こうが逃そうが必ず鑑賞するであろう本作であるが、月に1〜2本程度の一般客も ” 作品賞を受賞したのなら足を運ぼうか ” と、多く詰めかけてくれるであろうこと。
良い作品は、ヒットしてほしいものですから。
口コミ等で評判が広がり集客につながって、ロングラン上映となりますよう。

[ まだまだ黒人差別のひどかった1962年のアメリカ。 中でもその程度の激しい南部へコンサート・ツアーに繰り出した黒人天才ピアニストのドクター・シャーリー(マハーシャラ・アリ/助演男優賞受賞)と、彼に雇われた白人運転手 兼 用心棒のトニー・リップ(ヴィゴ・モーテンセン)との8週間の物語。]

口の中に苦いものが込み上げてくるような場面も幾つかあるが、全体を貫くのは観る者に元気をくれるような語り口の上手さであり、焚火のように心を照らしてくれるまなざしの温かさ。
盛り上げすぎない抑制されたタッチは、逆にそれ故しっかりと心の奥まで染み入って、泣けるほどの場面でもない筈なのに、何度も私の目尻をしめらせた。

やがて、最終日がやってくる。
もっともっと映画の世界に浸っていたかった。
ツアーが終わらなければ良いのに――。

けれど、終わりを迎えなければ、あの最高のラストに出合うことは出来ない。
良かった、花粉症対策をしていたお陰で、涙をごまかせた。

実話の映画化であり、エンドクレジットで流される2人の後日譚にも、胸を打たれる。
昔のように入れ替えがなかったなら、続けてもう一度観ずにはいられなかっただろう。

今年の外国映画マイ・ベストテンの1位は、本作で十分だ。
本作が、良い。

 
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