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2019年02月25日00:53

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さようなら夕子よ、月の妹よ

例年の如く仕事が修羅場を迎え、帰れる時間が遅くなりすぎてゲームも配信もほぼ無理。
おまけに体調を崩し、とどめに花粉症までやって来た。死ね。

・来る



澤村伊智の小説「ぼぎわんが来る」を原作としたホラーエンタテインメント。「エンターテインメント」。大事なことなので2回言いました。

前半の胸糞法事、不穏結婚式、地獄ホームパーティは確かにエグいが、演出がくどくなく演技で魅せられるので、こういうエグさが大の苦手な自分でも目を離さず見ることができた。テンポがいいのに積み重ねがしっかりしている。
野崎編に入ると映画のジャンル自体が一変。「あれ」と日本中の霊能力者たちのお祓いバトルが幕を開けます。全員がプロフェッショナルというか、当たり前のように命をかけてお祓いに挑む霊能者たちは必見。
あと細かな伏線と、回収が秀逸。タイトルが「来る」になった理由も色々と考察できる。「どうして」ではなく「どうするか」というセリフにミステリー部分をバッサリ切り捨てた映画の方向性が現れている。
メイン脇役問わず俳優陣の演技はほぼ完璧ですが、特に妻夫木の「イクメンパパの皮を被った軽薄で自分勝手なクズ」ぶり、黒木華のシングルマザーとしての苦労と、どんどん闇落ちしていく凄味、松たか子の盛りすぎた設定を持て余さないスケールの大きな演技、柴田理恵の変貌ぶりは圧巻。ただクズクズ言われている秀樹ですが、途中で野崎が言うように自分なりに家族を守ろうとする真摯さも描かれていて、佳奈ともどもある程度フェアに扱われていた気がします。監督が描きたかったのはこういう人間描写であって、お化けはある意味どうでもいいんじゃなかったんだろうか。だからこそお化けパートはエンタメに特化したんじゃないだろうか。
地獄のような人間模様は極めて苦手なジャンルなので鑑賞前はかなり不安でしたが、135分という長さを全く感じさせないまさに「ホラーエンタテインメント」と呼ぶにふさわしく、一切のダレがなく油断もできない。怪作でした。
欲を言えば、やはり視覚化された「あれ」を見たかったのと、せっかくのお祓いアベンジャーズなのだから西洋のエクソシストなんかもいたらもっとワクワクできたかも。
血は膨大な量が流れますが、人体切断などの直接的な表現はほんのわずかだったので、もっと派手にやって欲しかった。


・アイアン・スカイ ディレクターズ・カット版



月からナチが攻めてきたアレのディレクターズカット版がプライムに上がっていたので鑑賞。20分ほどの追加シーンがあったらしいが何しろ劇場公開版を観たのが数年前なのでどこが追加されたシーンやら。
改めて観ても、低予算の割りにはゴージャスな映像、クセの強い登場人物(「サラ・ペイリンとジョージ・W・ブッシュを合わせたような」大統領も笑えるが、広報のヴィヴィアンがクセ強くていい!)、皮肉の効いたストーリーの良作だが、追加シーンのおかげか単に2回目だからか前回より展開が自然で飲み込みやすい印象。
ただシーンとしてのコメディは思っていたより薄めで、しかも面白くない。後半の各国首脳会議は面白いが、ポスターなどの随所に仕込まれた小ネタの方が笑えた。迫力ある全面戦争(ここは追加されたのがわかった)もあるし、思ったより硬派、シニカルでブラックなSFとしてみた方がいい。
ラストシーンからエンディングは何度見ても見事。ここだけなら大傑作と言っていい。

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