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2018年11月15日03:52

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タイムのRTM工法がまだ生き残っている!

■タイムのRTM工法がまだ生き残っている!

ニットを編み上げる機械を連想してほしいですね。それをより立体的にした機械がタイツを編み上げるもので、ほぼ似たような機械でカーボン繊維を製品の形や必要な強度に合わせて立体的に編み上げて、熱硬化型の樹脂を染み込ませて、型にセットして真空引きしながら熱処理炉で整形するのがRTM工法です。

タイムの初期のモデルは、RTM工法でフレームチューブ前三角を1本1本成型して、シートステーを一体成形、チェーンステーは左右別に成形、フロントフォークのコラムやクラウンやブレードを一体成形して、高圧で型成形したカーボンラグで
と接着して組み上げていました。手間暇のかかる製造方法です。

チューブとラグなを一体整形して組み上げたセミモノコック製法で、一体整形したように見える前三角を採用したインスティンクトの2モデルの発売で、次世代のタイムのフレームは、金型にカーボンプリプレグを張り込んで、炉で焼き上げて成型する、全体をセミモノコック製法で作り、パート別に成型して接着で組み上げる、手間暇かかるRTM工法から移行するのではと感じました。

RTM工法は設計通りの強度や剛性を実現するために、製品の形に合わせて編み上げるカーボン繊維の高弾性などのグレードも重要だし、編み上げたカーボン繊維にくまなく含浸させて、しかも余分な樹脂を含ませないことや、クラックの原因になる気泡(ボイド)を含浸させた樹脂から抜き取ること、そして熱硬化型の樹脂の硬化後の強度も重要です。

カーボン繊維は繊維の方向で強度を発揮する方向が変わるので、長繊維のまま編みげて繊維方向やテンションの調整をしにくい、RTM工法を採用して成型した製品の強度や剛性を設計通りに発揮するのは難しい工法です。どうしても安全率高めるために肉厚が厚くなったり、外径の大きいデザインの採用が必要になります。これは重量増の要因にもなります。

セミモノコック工法の場合は、熱効果型の樹脂を染み込ませて、一方向にカーボン繊維を高密度で並べたプリプレグを、カーボン繊維が強度を発揮する方向をいかしてカットして、金型に張り込んで熱処理して成形すると、RTM工法よりカーボン繊維の含有量が多く強度や剛性を発揮します。熱硬化型の樹脂も最小限にコントロールできて、設計通りの形状や強度や剛性の製品に成型することが可能で、軽量化と強度や剛性の面でも有利です。650gというフレームも登場していますから。

タイムのフレームがフロントフォークやチェーンステーなどにRTM工法を部分的にでも採用するとセミモノコック工法のフレームより重量増になります。上級グレードの軽量フレーム&フォークでも、XXSサイズで900gをなかなか切れないのもそういう要因があります。それでもRTM工法にこだわるタイム開発スタッフにその理由を教えてほしいですね。タイムの乗り味がその答えなのかな。


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