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2018年11月09日05:51

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トランクには(0140 TWIN-MINI)

1963年5月5日、イタリア・シチリア島。タルガ・フローリオのスタート地点に見慣れたオースティン・ミニクーパーが登場しました。タルガ・フローリオには路上をトコトコ走るファミリーカーも多数参加していたので(3輪車すら)、このミニクーパーもそんな1台と思われたのですが、ダウントン・エンジニアリング(高度なチューニングをすることで有名)のメカニックがトランクリッドを開けるとワッと人だかりができました。
通常は荷物が載るラゲッジ・スペースを陣取っていたのは2基目のエンジンだったのです。
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よく知られているように、ミニのパワートレインはエンジンの真下にギヤボックスを配した2階建てです(エンジンのオイルパンの中にギヤボックスが入っています)。フツーのミニはこのパワートレインをフロントに横置にして前輪を駆動するFF(フロントエンジン・フロントドライブ)です。見事なパッケージング!
これと全く同じモノをリヤにも持ってきたのが、今回取り上げるTwin Mini(ツインミニ)です。(Twini)トゥィニィと呼ばれることもあります。
BMC(British Motor Corporation)のコンペティション部門で開発されました。メインテナンスは一般業者(前出のダウントン・エンジニアリング)に委託していましたけど。

フロントは通常のFF、リヤはRR(リヤエンジン・リヤドライブ)としたツインミニは4輪駆動で、前後どちらにも948ccの直列4気筒OHVのBMC・Aタイプ・エンジンを搭載していました。
市販のミニに948ccのユニットが搭載されたことはありませんが、BMCの小型車用汎用エンジンであるAタイプはピストンを換えると排気量をコロコロ変えられますので、こういうのってアリです。948ccは縦置にしてFR(フロントエンジン・リヤドライブ)の小型スポーツカーに用いられています。
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モンテカルロ・ラリーなどで実績があるミニクーパー(初優勝は1964年ですが、それまでに上位に入る活躍をしていました)、しかも出力は前後合わせて178馬力(!)を発揮するとなれば、このツインミニに期待するな、とは言えませんね。ドライバーはル・マン24時間耐久レースで総合優勝経験のあるPaul Frère(ポール・フレール)、それにJohn Whitmore(ジョン・ウイットモア)です。
しかし結果は27位。リヤのエンジンがオーバーヒートで止まってしまい、途中から後ろに重い荷物を積んだだけのフツーのファミリーカーに成り下がってしまったのです。シチリア島は暑かった!

そしてJohn Cooper(ジョン・クーパー)がこのクルマで酷い事故を起こして死にかけたりして、あまり良いところがないままいつしか忘れ去られてしまいました。

悲しいかな、これ以上のことは分かりません。BMC のコンペティション部門にいらっしゃった故Brian Moylan(ブライアン・モイラン)氏がお元気なうちに聞いておくべきでした!
お嬢様が日本人と結婚されたこともあって、たまにお会いしていたのです。

あ、こんな記述を見つけました。1962年の冬にこのクルマを開発したPaul Emery(ポール・エメリー)によると、その後の熟成で180mph(約292km/h)が可能になったと。そんなんマユツバだと思うのはボクだけ?
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