浮彫り(レリーフ)、作ってみたことあります?ボクは中学生の時の美術の授業で「木製の箱の上面を好きなように彫刻しなさい」という課題の際にやってみて苦しんだことがあります。
盛り上がっているところはいいのですが、そこ以外は均一な高さで平らに削らなくてはならず、中学生の乏しい道具(安物の彫刻刀)ではすごく難儀しました。
だから昔からある浮彫り、特にロクな道具が無い時代にはどうやって作っていたのだろう?と疑問でしたが、知人が教えてくれました。
古代エジプトの浮彫りは、平らな部分を職人が何ヵ月も何年もかけて丹念に削って作ったとのことです。ほとんど石材ですからタイヘンだったでしょう。
しかし最近の浮彫りは、平らな板に別途作ったピースを貼り付けているだけだそうです。なーんや、そうやったんか!です。
しかし、このやり方は邪道で、接着が弱かったりすると悲惨なことになるので、正統な浮彫りは全く異なる方法を採るとか。
母材を載せるテーブルが傾けられる電動糸ノコで、浮き上がらせたい部分を切り抜きます。この際、母材をを少し傾けて斜め(上すぼまり)に切り抜くんですね。道具がなくてはできません。
そして切り抜いたピースを裏から嵌め込むのです。ピースは上すぼまり(台形)で切りしろ(糸ノコの歯の厚さ)がありますから、シッカリ嵌め込むと表側は少し飛び出しますよね。ここが浮き上がった部分となるのです。なるほど!です。
当然ですが、裏から見ると飛び出した分だけ引っ込んでいます。
現代の浮彫りはほとんどこの方法で作られているそうです。唐木細工や仏壇など小型の浮彫りはほぼ例外なく。大型で機械で穴開けできない場合は貼り付けだとか。そりゃそうやろ!
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