全七章からなるヤマト2202シリーズ、その第六章。
今までの伏線が明らかにされる回なので、ネタバレ無しで面白いところを書くのは無理。
過去のストーリーをおさらいしてから、是非劇場でご覧ください!
…と、これで終わるのもいいのですが、「昔のヤマトしか見たことが無い」、「今時、ヤマトなんて見ているのは古いファンくらいなものでしょう?」と思われる御仁もいらっしゃると思われるので、見どころをつらつら書き連ねてみる。
ストーリー
1978年に上映され大ヒットした「劇場版 さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち 」がベースですが、本作は大まかなアウトラインは残しつつ、設定やストーリー、キャラクターは大きく変更されています。
敵となるデスラー総統や、白色彗星帝国を率いるズォーダー大帝の過去が描かれていているところ。
彼等が単なる「悪役」ではなく、地球へ侵攻する目的や心理描写が掘り下げられていて、単純な子供向けアニメとは一線を画しています。
主人公=善、敵役=悪といった、一昔前の勧善懲悪モノを想像している人が見たら、彼等の考え方に共感したり、思わず悩んだりするかも?
キャラクター
ストーリーと同じく、過去のヤマトシリーズでお馴染みのキャラクターも登場していますが、各人の過去や個性がより強調されていて魅力的になっています。
新しいキャラクターも登場していていますが、往年のファンにも違和感なく受け入れられるし、若いアニメファンもきっと好きになれるでしょうね。
作品の考証
「SFアニメなんて、宇宙船やUFOが出てくるだけで、科学的とはいえない荒唐無稽なお話なんでしょ?」
それは一昔前のこと。
以前、SF作家の星新一が「今のSF作家の本棚には、物理学の本が並んでいるでしょうね」とおっしゃっていましたが、その通り。
惑星探査船「はやぶさ」が小惑星「イトカワ」へ旅立ち、長い航海の後に貴重なサンプルを持ち帰ったニュースを覚えていますか?
「はやぶさ」が地球から遠く離れた「イトカワ」へ飛び立つ時に使ったのは、地球の引力を利用して探査船の航行速度を上げる「スイングバイ」と呼ばれる手法。
「宇宙戦艦ヤマト 復活編」では、敵に追い詰められた時に「スイングバイ」を利用して危機を逃れていました。
この作品でも「クローン技術」、「無人攻撃機」などの話題が出てきます。
新造艦「銀河」が作られた所以と「計画」は、ハードなSFファンなら思わず唸るかも
この作品には出てきませんが、リメイク版「ヤマト」シリーズに関わっていたのは海上自衛隊。
手のひらを内側に向けて敬礼するのは、旧日本帝国海軍から引き継がれる伝統的な作法。
他にも、上司へ意見を伺う時や、敵と交戦する際の艦内で飛び交う海軍式の独特な号令は、とてもリアルで緊迫感がある。
政治的な視点から
旧帝国海軍の戦艦大和をモチーフにして、「軍隊を美化している」、「愛国心を啓蒙している」という平和主義者の喧々囂々の批判を受けそうなことは、察して余りあるんですがね…。
平和な世界は「理想」であって、「現実」ではない。
平和主義者の人達が呑気に「戦争の無い世界」の素晴らしさを訴えていられるのは、過去の名も無い人達が戦争で血を流して戦ってくれて得られたものです。
狸がこの作品を見た時、明らかにアニメファンだと思われる若い人がたくさんいたので、「もしかしてヤマトを見にきたの⁈」と思っていたら、偶然上映開始時間が同じだった「劇場版 Re:ゼロ」?目当てだった(^_^;)
11月は新作ラッシュで面白そうな作品が目白押しw
忙しくなりそうです。
面白かったw
ログインしてコメントを確認・投稿する