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2018年10月17日17:01

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シネマ歌舞伎 法界坊@109シネマズ湘南

平成中村座で2008年に上演された公演のライヴ・ヴューイングを観て参りました
正式外題は「隅田川続俤(すみだがわごにちのおもかげ)」、外題と通称が異なるのは
切られ与三や白波五人男と同じですね

タイトルロールは典型的破戒僧で、これを故十八世中村勘三郎丈が演じます
事前に調べたwikiによると、伯父である初代吉右衛門丈、あるいは父親の十七代目の
当たり役だったそうで、ワタシはこのお二人の歌舞伎の舞台を拝見したことはないので
すが、芸風が全く異なる、シリアス物を得意としていた吉右衛門丈がコミカルな役回りを
喜々として演じていたというのも興味深いですし、滑稽ものを独擅場としていた十七代
目がワルの要素を匂わせて演じていたというのも面白い

その双方を引き継いだのが当代(といっても亡くなられたのが残念)勘三郎さん
法界坊がバレエのような所作をしたり、縄跳びをするのは父親である十七代目が始め
た工夫だそうです

本日の公演は自由劇場の串田和美さんの演出になるもので、しかしかつてシネマ歌舞伎
で拝観した三人吉三同様に取りたてて現代風にアレンジすることなく、歌舞伎本来の枠組
みを逸脱はしておりません(それで充分面白い)


勘三郎さんも橋之助さん(現芝翫さん)も、歌舞伎役者ではないがコクーン歌舞伎の常連
である笹野高史さんもギャグとアドリブの応酬で、いやはや痛快です
橋之助さんなんか、笑ってしまって演技に苦労している、しかし返す刀で義兄をイジリ倒し
場内(平成中村座も本日のシネコンも)爆笑の渦で、初演は天明4年だそうですから、
あの大飢饉の真っ最中にこんな喜劇が演じられていたとは(そこが庶民の力です)

帰宅して日経夕刊を見ましたら、来月の歌舞伎座公演で猿之助さんが法界坊を演ずる
とのことです(これは見落としておりました)
早速ウェブ・チケットで前売りを購入しました
猿之助さんの曽祖父である初代猿翁丈もまたこの役を得意にしていたそうです
三代目猿之助さんは宙乗りを採りいれたとのことですから、当代もそれを引き継いで
おられるでしょう、中村屋とはまた変わった趣向が来月楽しみです


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