10月6日(土)。広島から新幹線で京都へ向かう。目的は京都おもちゃ映画ミュージアムで開催中の「渡辺泰展」関連トークイベント「渡辺泰 アニメーション研究活動68年を語る」。
折からの台風25号の影響で運行に遅れあり。私が乗ったすぐ後で強風の為に一時運行休止になったそうで危ないところだった。
京都駅前のホテルに荷物を預け、嵯峨野線で最寄りの二条駅へ向かう。
ところが、二条は台風雨の土砂降り。止みそうにないので、頃合いを見て折り畳み傘を手に歩いて会場へ向かう。時間ぎりぎりセーフだが、ずぶ濡れだ。
おもちゃ映画ミュージアムは小さな民家。元は西陣織の織り場だったそうで、屋根が高く、織物を掛ける梁がぐるりと渡されている。中は見知った顔でいっぱい。最前列に1つだけ空いていた小松沢氏の隣に座らせてもらう。
渡辺泰さんは、展示前期の9月9日(日)の特別企画「木村白山って、何者?」に出演中に体調を崩され救急車で緊急入院されたので、とても心配していたのだが、この日はお元気そうで安心する。実は今日の催しも当初は9月30日(日)の予定が、台風24号の接近で今日に延期になったもの。再延期はないとのことだったが、無事開催されて良かった。代わりに日程の都合で、そもそもの企画者の森下豊美さんが参加出来なくなってしまったのが残念だった。
スケジュールは14:00〜15:30トーク、15:30〜16:00アニメーション上映、16:00〜茶話会と一応あるが、これは目安として適宜進行。
聞き手は関西大学大学院の北波(きたば)英幸氏と、桃山学院大学の佐野明子さん。
渡辺さんの語りに合わせ、北波氏がPCを操作して予めミュージアムのPCに取り込んである渡辺さん所有のポスターやチラシ等の資料や参考映像等を紹介しながら、北波・佐野両氏の発言を交えて進行。
小学生時代の渡辺少年が、校門前で配られていた漫画映画の宣伝チラシ(裏は時間割の罫が引いてある)を70年以上も大事に保存してある話や、その実物映像(ものすごく状態が良好!)に一同どよめく。正に栴檀は双葉より芳し。
渡辺さんの愛するディズニー映画との出会い、同じく渡辺さんが愛する手塚治虫と大阪朝日会館という立派な映画館で時期的に遭遇していた可能性、名著『日本アニメーション映画史』の原稿依頼から執筆時の秘話(出版の有文社は当時渡辺さんが務める毎日新聞社のすぐ傍にあり毎日社内で編集者に原稿を手渡ししていた)等々、話は尽きることなく。
上映は、渡辺さんが若い頃に入手され、現在ではディズニープロも所蔵していない、いわゆるロストフィルムの可能性が非常に高い逸品など、貴重なものを。
当然ながら話が切りよく終わる筈もなく、時間切れで茶話会へ。椅子を片付け、テーブルを中央に立食形式。まずは参加者一同、端から自己紹介。mixiやヒロシマでお馴染みのメンバー、私とはメールやツイッターで交流があるが初めてお会いする方、新千歳でお会いした方、初めてお目にかかる方、等。ハイライトは若き天才研究家として名を馳せる高校生「かねひさ」君。先のロストフィルムも、渡辺さん所有のものとは別におもちゃ映画ミュージアムが所蔵するものを独自調査でそれと突き止めた英才だ。
フリータイム。渡辺さんにささやかなプレゼント、白雪姫の食玩フィギュアをお渡ししてお喋り。
合間に展示を見て歩く。いろいろな方と挨拶を交わす。おもちゃ映画ミュージアム主宰の太田ご夫妻ともご挨拶。我ながら皆からとても大事にされて有難い。年を重ねるってこういうことね。真面目に生きて来て良かった。
かねひさ君に私の『アニメーション思い出語り』に出て来る民話社について訊かれる。目の付け所が鋭い!逆に彼の現在の研究方法について尋ねてみると、未成年なのでまだ国立国会図書館の閲覧が出来なくて残念とのこと。かねひさ君、未来は君のものだ。
渡辺さんは超人気で、椅子にかけたり、立ち歩いたりのあちこちで人の輪が出来る。終始にこやかで目出度い。
18時を回った頃からぽつりぽつりと辞去する人が出始め、19時近くなると、さすがに立食のお喋りも体力的に厳しくなる。おなかも空いてしまったので、ミュージアムの方が車でご自宅までお送りするという渡辺さんにご挨拶をして再会を約し、駅前で食事を摂るという関西方面のメンバーに混ぜてもらって退出する。後になって、やはり先に帰ってはいけなかったのではと反省しきり。ともあれ、渡辺さん、いつまでもお元気でいらしてください。
しましまさん、Lem.さん、まささん他の方たちと駅前のコメダ珈琲へ。居酒屋でないのが東京勢との差だ。気心知れた方々と楽しいひと時。新番組の情報交換など様々に。
しましまさんと真鍋さんに京都駅まで送って頂く。その節はお世話になりました。
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