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2018年10月03日10:24

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「とか弁」の多様に見る、若者言語の汎用性の考察

「とか弁」の多様に見る、若者言語の汎用性の考察

ただ単に、論文のタイトルみたいにしてみたかっただけです(^o^;)

「ほか弁」にちなんで「とか弁」。

とかく現代社会に多く見られるようになった、「とか」の多様性の考察です。

まずはこちらのコラムから。

創刊50周年をむかえた『現代用語の基礎知識』(自由国民社刊)には、そのときどきの若者ことばを収めた「若者用語の解説」欄が設けられている。

1990年代に入り、そこにある特徴をもつ若者語が登場した。

「〜てゆうか 特に意味なく表現を和らげる」(92年版)、「〜とか 表現を和らげる無意味なつけ足し」(93年版)のように“意味がない”と解説される若者語である。

例えば「明日映画行かない?」で済むはずのところを、冗長に「明日とか映画とか行かない?」と言う。

それゆえに“無意味”とされるわけだ。

これらの若者語は、ことば遣いの乱れとはまた違った側面で問題視されていった。

次に引く新入社員研修員の談話にみられるように、対人関係におけるある種の心理態度のあらわれとして問題にされたのである。

若者の「とか」弁に、今年も悩まされた。

「コピーとか必要ですか?」「会議とかやるんですか?」。

「みたいな」「というか」「だったりして」なども多い。

いずれも、ものごとを断定せずにそれとなくはぐらかす表現。

「斜に構えて、相手に真正面から対することをよしとしない若者の心模様がかいま見える」…〔中略〕…。

「ビジネスではごまかしの言葉は通用しない」といっても、なかなか直らない。

複雑な人間関係から逃げる根本が変わらないと直らないと、思っている。

「とか」弁に代表されるこのようなぼかし表現・あいまい表現*1は流行語の域に止まらず、今なお広く用いられ続けており、99年版『現代用語』の若者語欄には「あいまい」という小見出しが設けられるまでになった。そこに含まれる13語の中には「とか」「てゆうか」も依然として見受けられ、『現代用語』に掲載される若者語の平均寿命が1〜2年であることを考えると(米川[1994])、これらは若者語としては異例に長命であると言える。

90年代に入ってこうした若者語が出現し定着した背景には、それらの語のもつ語用論的機能を考えるに、先の記事で指摘されていたようなある種の対人関係意識・コミュニケーション心理が潜んでいるように思われる。

以下では、まず、それらの若者語のもつ対人関係的機能を分析し、次に、それらの語の使用にどのような対人関係心理が関連しているかについて、筆者の行った予備的調査の分析結果を報告する。

難しく書いてしまっていますが、要はコレ。

なぜ「とか」をつけるんですか?ということなんです。

「先週カラオケ行った?」で済めばいいのにわざわざ…

「先週カラオケとか行った?」となるところです。

「とか」というのは「など」の意味が含まれることもあり、たとえば、もし他に遊園地にでも行ったことを聞く意図があるのであればいいのですが、この場合の「とか」はおそらくそういう意味ではないと思うんですよ。

「あ、この歌。よくカラオケとかで歌います(*^_^*)」

これも聞き慣れた表現ですが、なぜ「とか」をつけるのか。

「カラオケ」以外にも「スナック」だったり「発表会」だったりで歌う意図があるなら間違ってはいません。でも…

「カラオケだけでしか歌っていない」にもかかわらず、なぜか「カラオケとかで歌います」と言ってしまうその心理の考察なんです。

次は、若い女性によく見られる「って感じ」「みたいな」の表現。

・このあいだの男、どうだった?
 バカじゃない、って感じ。
 バカじゃない、みたいな。

こう答えるケース。多いと思うんですよ。

「バカじゃないかと思った」とは言わないわけなんです。

・このあいだの男、明子はどう言ってた?
 「バカじゃない」って感じのことを言ってた。
 「バカじゃない」みたいなことを言ってた。

これも同様に。
「バカじゃないかと思った」と言ってたとは言わないわけなんです。

上司から言われたこと。友達から言われたことを伝聞する時…

「そういえば、部長が今日出張から帰ってくるみたいなこと聞いたけど…」
「祐子がお土産にあれ買ってきてくれるみたいなこと言ってたよね。」

これはさらに広げると…

「っていうか」「つーか」も同様に言えてしまうんです。

「と、言いますか」が正式ですが、こう使っている人はもうほとんどいないでしょうしね。

「つーか(つか)○○じゃね?」という言い方もよく聞くようになりましたしね。

究極はコレ→「でっていう」

ネットニュースのコメントでどうでもいいことに一言書く時によく使われている表現です。

「でっていう」→「だから結局なにが言いたいんですか?」を究極的に縮めたものだと解釈してます。

「了解です」が、現代社会のSNS上で、「りょ」や「り」になったりしたのもありますが、それは今回の趣旨とは外れますので割愛します(;^ω^)

では、最後にこちら。

・「カゼでもひいたの?」「っていうか、ちょっと疲れてるだけ」
・「それって、かなりやばいよって感じだよね」
・「渋谷とか行って、映画とか見ない?」
・「お父さんはどんな人?」「ちょっと気むずかしいかな、みたいな」
・「しつこく説教するから、完全にキレちゃったよ」
・「今日のバイトは超疲れたよ」
・「抜き打ちテストがあって、パニクっちゃったよ」
・「弟がポケモンにはまってるんだよ」

これらをあえて「正式な言い方」に直すとどうなるか。
お暇な時にでも考えてみてください(;´∀`)

この10年で急速に浸透した、「草生える」

「笑う」が「笑」となり、「(笑)」から、「www」になって、「草生える」「大草原」の表現になっていったわけなのですが…この進化も早かったですね。

「それホント草生える」
「そんなの大草原必至だろ」

これを20年前の人間が聞いてもチンプンカンプンでしょうしね(^o^;)

「すぎる」だってそうですよ。

「美しすぎる」
「悲しすぎる」
「残念すぎる」を通り越していまや…

「え?あのイベント来月からなの?楽しみすぎる」
「あの事件はちょっとかわいそうすぎるよね」
「その言い方はちょっと不謹慎すぎるでしょ」

もし、これに違和感を持たなくなったらかなり言語力ヤバくなりますよ(-_-;)(あえてこの表現)

今日は「とか弁」の多様に見る、若者言語の汎用性の考察でした手(パー)
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