根を張る事は無い
ゴミに囲まれたゴミのような自分
大きなカラを背負ったカタツムリが
それを無理やり剥がされて
内臓をあらわにして生き絶える
自分の魂のカケラを無意識に宿した
無機物達が
私の輪郭をなぞるけど
私の事など知りもしない彼らにとっては
なんの脈絡もない岸壁についたフジツボのようで
手を伸ばしたところで
このドアのこの壁の
その先にまで届く事はなくて
全て(全ては無意味な亡霊のようだから)
この生ゴミ同然の脳みそが見た夢だから
今も現実も否定したまま
呼吸を止めて
足掻くのをやめれば
楽になれると
それだけが
望み
空気の中走る微力な波になって
半透明のあなたの笑顔の夢を見る
その頬に触れる手も無くして
戸惑っているけど
これ以上無い幸せだけを
感じている
「あぁよかった、これで良かったんだ」
と
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