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2018年07月19日20:47

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難民問題:トランプとオバマ

<今日のワシントン・ポスト紙のニュースレターから>

先日の欧州旅行でベルギー、イングランド、スコットランド、フィンランドを歴訪したトランプ大統領が行く先々で大声で繰り返し叫び続けたセリフ。曰く「ヨーロッパは誤った移民政策のお蔭で、その屋台骨も文化もズタズタにされている」
プーチンとの会談を終えた後、フォックスニュースで移民反対を叫び続けている硬派のホスト、Tucker Carlson氏がトランプ大統領とのインタヴュー番組で「大統領、今回のヨーロッパ歴訪で、大量の移民受け入れが良い結果を齎した国はありましたか?」との問いかけたのに対してトランプ大統領の答えは「そんな国は一つも無かった。正直言ってヨーロッパの難民受入れ政策は壊滅的な結果をもたらしている。ヨーロッパとヨーロッパ文化が破壊されている。社会は急速に劣化し、犯罪は急増。何とかしなければ、と各国首脳に言ってきた。」

ホスト「プーチンやメルケルは自国の利益のためになる良い仕事をしていると思いましたか?」
トランプ「メルケルは大量の難民を認めるまではスーパースターだったがね。その政策が彼女を潰してしまった。以前は選挙でも圧勝していたのに、難民政策のお蔭でもうボロボロだよ。」
トランプはそこで大量難民受入れ拒否を貫く中国や日本、韓国の対応を称賛してみせた。そして、アメリカは世界でも最低の移民政策をしきたと付け加えた。

その一方で、ネルソン・マンデラ氏生誕100周年を記念するヨハネスブルグでのセレモニーに参加したオバマ前大統領が15,000人の聴衆を前にした演説で文化と移民問題について語っていた。

「マンデラ氏が生まれた100年前、ヨーロッパの大国たちはアフリカ大陸やそこに暮らす人々を豊富な天然資源と安価な労働力を与えてくれるところとしか見ていませんでした。更に黒人を劣った人種ときめつけ、黒人の文化や利益にも願望にも一切関心を持たなかったのです。
そんな中、監獄から釈放されたマンデラ氏が歴史を変えました。健全な政治文化を築いたのです。アパルトヘイトが続くさ中に、先ず以前の敵と和解する努力を続けました。彼は政治とは単に得票数が多いかどうかで決まるものではないと理解し、先ず民主主義が機能出来る市民文化を作り上げることに取り組んだのです。民主主義はシッカリした制度の上に成り立ち、少数意見に耳を傾けることでバランスをとり、言論と表現の自由、報道の自由、権力に対する抗議や訴えの権利を認め、権力から完全に独立した司法と誰もが法を守ろうとする市民文化が欠かせないのです。

トランプは大統領としてアフリカを訪問したことはないが、アフリカは肥溜めのようなところだ、という自分の発言を撤回するのを拒みつづけてきた。
そのトランプはフォックス・ニュースのインタヴューで「今回のヨーロッパ歴訪で、国境の壁の建設が如何に緊急の問題であるか、そしてアメリカへの移民流入の阻止の重要性が改めて判った。民主党は国境を開放せよと言うが、多分あれは学校で習った単なる政治哲学か、あるいは彼らが唯の阿呆なのか、おれには判らんが・・。」とまで発言している。

一方オバマ前大統領は、トランプの移民政策に言及し「国として国境を重視しようというのは別に間違いではないし、国境を法律でシッカリ守るのも必要で、入国してくる移民たちも言葉の習得やこの国の習慣に従う努力も必要である。
だが、だからと言って人種や習慣や宗教の違いなどに基づく移民排斥の言い訳にはならない。より良い生活を求めてアメリカにやってくる人たちの基本的人権の尊重があっての法規制なのだ。赤ん坊を抱えた母親は、自分たちの家族の誰かと重なって見える。そして自分の子どもがその赤ん坊であったかも知れないという思もあるだろう。」


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