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2018年07月06日15:59

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トランプが仕掛けた貿易戦争の行方は?

トランプが仕掛けた貿易戦争がいよいよ現地時間の今日、金曜日からはじまります。その広範囲にわたる影響や反響について、ワシントン・ポスト紙が今朝のニュースレターで詳しく伝えています。主要部分を要訳してみました。
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トランプ大統領が中国に仕掛けると公言してきた総額340億ドル(約3兆7,500億円)の追加関税措置がいよいよ金曜日の午前0時1分から始まる。
そして、中国は直ちに報復措置をとることになり、前例のない規模でのお互いに高くつく貿易戦争に突入する。

仮に最終的には収束させるとしても、この貿易戦争は約四半世紀にわたって築いてきた両国間の経済的絆を大きく損なう歴史的な出来事である。中国のアメリカ企業に対する数々の貿易上の不品行や差別があり、それをやめさせようとする試みだとトランプは明言しているが、結果的にアメリカの市場を震撼させ、多数の企業のサプライ・チェーン*を混乱させ、投資の意欲を大きく阻害する結果に終わるのは明らかだ。(*訳注:製造業において,原材料調達・生産管理・物流・販売までを一つの連続したシステムとして捉えたときの名称)

この木曜日に公表された6月12,13日開催のFRB連邦準備制度理事会の報告書では、今回の追加関税の応酬は、ここまで順調に推移してきたアメリカ経済に影を落としていると警告している。
報告書ではアメリカの農家たちも中国の報復措置の結果、中国市場を失うことに大きな懸念を抱いており、更に全国各地の企業も貿易問題の混乱から各種の投資の中止あるいは延期が急増していると懸念をしていることを明らかにしている。
更に、三月には鉄鋼とアルミの輸入に追加関税が課せられたが、トランプがその措置によって守ろうと目論んだ鉄鋼やアルミ産業ですら企業は新規設備投資などに慎重な姿勢を示し始めたと報告書は語っている。

「今回の貿易戦争がアメリカ経済にもたらすのは悪影響しか考えられない。
更に注目せねばならないのは、この経済全体のマイナス効果はトランプが行った企業の所得税減税の効果を無に帰し、それ以上の悪影響をもたらす結果に終わるだろう」とドイツ銀行の国際経済首席顧問Slok氏がツイートしている。

「アメリカの消費者たちは間もなくこの貿易戦争の影響をまともに受けることになるだろう。この追加関税措置でアメリカの雇用を守る効果などある筈はなく、所得税減税効果を無くし、広範囲に渡る消費物資の物価上昇が消費者を直撃するとのになる」と危惧をあらわにするのは全米小売連合会のShey会長である。

一方トランプ政権側は、アメリカ経済は力強く順調に推移しており、失業率は18年ぶりの低水準で、長年にわたりアメリカを苦しめてきた中国に対して対抗処置をとる好機であると語っている。

「アメリカと中国との貿易関係はもっと平等になる必要がある」は先月のトランプの発言だ。
大統領は以前から、アメリカに対して中国は“経済侵略”を仕掛けてきていると中国に対して批判的である。「中国のイカサマのお蔭でアメリカは何百万もの雇用を失ってきた。その結果、アメリカ企業のサプライ・チェーンや投資計画に悪影響を及ぼしてきた」とも語っている。
トランプは中国と話し合いたいと何度も言ってはいるが、追加関税実施直前になっても米中間の交渉の兆しすらない。
大統領は今回の追加関税は中国側の知的財産権を無視する行為に対抗するためと称している。外国企業が中国市場に参入を認める代わりに、その企業秘密を公開することを強要していると非難する。
また、3兆7千5百万ドルの貿易赤字の削減に協力してもっとアメリカ製品の輸入を増やすよう中国に求めている。

だが、公式な協議の予定もないのが現状で、貿易の専門家たちはトランプの拙速を危惧している。
アメリカ通商代表部の元幹部にCutler氏も「彼は余りにも簡単に重大な物事を決めてしまう。かれは危険など目に入らないようだ。」

一方中国当局は、アジア諸国を苛めて互いに争うようにしむけているとトランプを非難し、かれが人格的に問題あるとのレッテルを貼ろうとしている。
今週の中国公式メディアが「アメリカは独裁者好みで世界の脅威だ。」という論評を載せている。
中国貿易省の報道官Gao Feng氏は木曜日に「アメリカは全世界を相手に戦いを挑んでいるが、自国民に対しても銃を向ける結果になる」と語っている。
どうやらトランプを大統領に当選させた人たちを標的にしているようだ。
中西部の大部分を占める農業関係者たちは、美味しい中国市場を失って、過剰生産した農畜産物の山のツケを払わされのではないかと恐れはじめている。

専門家は、双方とも一歩も引かない構えなので、これからどうなるかは誰にも判らないと言う。
「世界貿易にとって明日は暗い」と語るのは元EUアメリカ商工会議所の中国支部長のWuttke氏だ。

中国に拠点を置くアメリカ企業からは車の輸出の際の中国当局の検査は大体2%程度であったが、この6月以降はあらゆる分野の商品の臨港検査を厳しくしているとの報告が入ってきている。
Perkins Coie国際法律事務所の北京支店のZimmerman氏は「この貿易戦争が表面的な関税のしっぺ返し合戦で終ると思われては困る。真の争いは必要以上に執拗な検査や安全保障関連の規制強化、より高い品質保証の要求などの形で展開するだろう」と語っている。
三菱UFG銀行の香港支店の国際市場調査主任Cliff Tan氏も「サプライ・チェーンも大きな痛手を受けるだろう。アメリカの追加関税はアメリカ国内のハイテク産業を混乱させ“ウォールマート型商品”の価格上昇を招くと思う。これは誰もがお互いに銃を向け合うような争いになる」と警告している。
アメリカ商工会議所上海支部のJarrett氏も「上海の企業全体に不安の空気が覆っている。みんながこの代償は余りにも大きいことを認識し、第二波が来ないことを願っている」と語る。

これまでのところ、トランプ大統領は土壇場での休戦など頭にないようだ。
彼は中国のシー・ジンピン主席を親友だと称しているが、米中両国民を巻き込む危険な事態を想定している気配など全くない。

「貿易戦争は歓迎だ。簡単に勝つこと間違いない。」とツイートしている有様だ。






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