先日購入した、フルトヴェングラー/ウィーンフィルの
18枚組ボックス（Orfeo）の中に、
1945年録音のフランクの交響曲があったので
同じ演奏の別のCD（Delta）と比較してみた。
1945年1月という、ドイツの敗色濃厚の戦時下において
当時の人々の心境を反映させたような
感情移入の深い熱狂的な演奏であり、
歴史的に見ても貴重な音源である。
同じ演奏だが、��Orfeo盤はテープ音源なのに対し
��Delta盤はLP（米Vox）からの、復刻盤である。
（写真はDelta盤のジャケット）
この�△蓮△△覦嫐�、とんでもない珍品なのだ。
第２楽章の冒頭が３小節ほど欠落しているし、
その後の音飛びがすさまじい。
今回、初めて音飛びの回数を数えてみたが
全部でなんと６回もあった。
普通では、こんなもの、売り物にはならないだろう。
ところが、聴き比べると、断然、�△里曚Δ�いいのだ。
音の生々しさ、特に弦の熾烈な響きは比類がないし
クライマックスの狂ったような勢いには、何度聴いても
圧倒されてしまう。
�，里曚Δ蓮▲董璽弉燦擦覆里播�然音飛びも、冒頭の欠落も
ないし、
これだけ聴いていれば十分満足できるクオリティではあるが
（�，里澑藾娶紊稜鐚蠅�入っている）
�△鯆阿い討靴泙Δ函�音のリアリティにおいて、
どうしても物足りなさを感じてしまう。
（Orfeoのボックスは、どのCDも、大人しい音質である。
そのことも、マイナス要因となってしまう）
いずれにしても、久しぶりにこの演奏を聴いて、非常に感動した。
この演奏の直後、フルトヴェングラーはスイスに亡命するが、
敗戦後（1945年5月）、戦時中のナチ協力を疑われ、
演奏禁止処分を受けてしまう。
処分が解けたのは2年後の1947年で、その直後、あの歴史的な
復帰演奏会となるのだ。
フランクの交響曲や、復帰演奏会のライブ音源は
まさに時代の証言というべきものであり、
激動の時代を生きた大指揮者の熱い思いが伝わってくる。
これらを聴くと、現代のクラシック音楽演奏は
つまらなくなってしまったなと思ってしまうのだ。
YouTubeにアップされている1945年のフランク交響曲は
いずれもテープ音源であり、米VOXのLPからの転写ではない。
DeltaのCDも入手が難しいかも知れない。
ぜひ再発売して欲しいと思う。
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