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2018年05月25日03:42

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最近の読書、充実の小説たち

写真は順に
*「母の遺産(新聞小説)」(中公文庫)上下巻 表紙
*今野敏「隠蔽捜査2『果断』」(新潮文庫)表紙

2012年に大佛次郎賞を受賞した母の遺産(新聞小説)」(中公文庫)を知人から借りて読んだ。
今まで読まなかったタイプの本で、地味な作品なのに引き込まれてしまった。
主人公・美津紀の祖母が明治時代に夢中になって読んだ新聞小説・尾崎紅葉の『金色夜叉』から、私はお宮さんだと信じ込んでしまった祖母、貧困生活から抜け出したくて華美と贅沢に憧れ、結婚後も「こんなのはずではない」とフロベールの『ボヴァリー夫人』ばりな生き様で家族を翻弄し続けた母、その母から姉のようにふんだんな愛情を受けることができなかった次女の美津紀の心情と、中年女性の身につまされる日常に心通わせてしまう。
調べてみると、読売新聞に連載されたこの作品は、作者の水村美苗さんの実体験が下敷きになっているらしい。
かつて奔放で難儀させられ、老いて今は見る影もない母、その病室で主人公はつぶやいてしまう。
「ママ、いったいいつになったら死んでくれるの?」と。
もう少しだけ詳しい読書日記はこちらから↓
http://bambi-yuuki.at.webry.info/201805/article_11.html

今野敏の隠蔽捜査シリーズにハマっている。
隠蔽捜査2『果断』(新潮文庫)を読んだ今はシリーズ3作目に突入。
警察庁でエリートコースに乗っていた竜崎は、1作目で家族の不祥事により所轄の署長に飛ばされた。
東大以外は大学と思わず、杓子定規で、忖度しない、完全合理主義の壮年の男のあだ名は「変人」。
「勝つも負けるもありません」
「一番正しいと思ったことをしたまでです」
こんな変人が政治の中枢にいれば、日本も今より少しはまともな社会になっているのかもしれない。
最高にカッコイイ信念の変人に夢中だ。
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