穀雨をパープルレインと読む

天井裏で時々、「ポタッ」と音がする。
ここもか。
この部屋も雨漏りか。
やばいな、と思いながら、眠くて動く気になれない。
眠いけれどたまの「ポタッ」が気になって寝付けない。

※

春雨は、夜の間しとどに降って、朝あがったりするもんだよな、
と、犬の散歩をしながら思う。
明日は散歩は無理かな、と思っていると、朝けろりと止んでいることが多い気がするのだ。

二十四節気で、今頃のことを穀雨と呼ぶそうだ。
田畑を耕してなんぞ蒔いたりすると、ちょうどよく天が水やりをしてくれる。

そうだ、今度の雨の前に、南天ともみじを移植しておかなきゃ。

※

２年前の４月21日に、プリンスが死んでしまった。
直後、車旅に出てラジオをつけていると追悼番組を放送していて、
その時も雨だった。

創作者が逝ってしまうと、もう新作が見られないのか、とさみしく思う。
けれどプリンスは、相当の未発表作品が有るようだ。
今まではしっかり管理されていたが、多くの映像がyou tubeに流出するようになった。
ちょっと嬉しく思ってしまい、またさみしく思う。

※

太宰治の命日をその作品名から「桜桃忌」なんて呼ぶ。
そんなふうに、プリンスの命日を名付けられないか、考えていた。

ヒット曲に「ラズベリー・ベレエ」が有る。
ラズベリーならキイチゴだ。木苺忌なんてどうだ。
うーん。
それとも、「パープル・レイン」にちなんで付けるか。
紫色の、雨の、忌日・・・
むらさ忌

どこぞの居酒屋チェーンみたいになってしまった。