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2018年04月11日06:07

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チョイト柳は

[あらすじ] 枯死してしまった珊瑚樹を、数本伐り倒した。

家の入口の脇なんかに柳が有ったらちょいと乙だな。
料亭みたいじゃない?
何やら妙な憧れが有った。

枝垂れる様子は美しい。
春に芽吹きとともに黄色い花房を付けるのも目にやわらかい。

でも伐る。



近所に有るものは、あまり植えなくていい、ということにした。
いつ頃だったか、そう思った。
近所で見られるなら、それで十分。自分が庭で手入れするまでもない。



柳の枝で籠を作ろうと、友人が言うので、一緒に近所の大きな柳の木の下から
落ちている枝を拾ってきた。
枝は、水に浸けておいて、しなやかにして、皮を剥いて細工する。

浸けておいて待っているうちに、友人の柳籠への思いは下火になってしまったようで、
柳の枝はいつまでも我が家の池に浮いていた。

ある日見てみたら、枝から根が出始めていた。



柳というのは無抵抗である。
枝がやたらにしなしなとするし、ついでに折れやすい。

川べりによく生える。
増水に備えた性質なのだ。
濁流に襲われたら、しなしなと受け流し、枝なんか折れてしまっても
それで幹が残ればいい、という考えだ。

そして、折れた枝は流れついた先で根を張り、また一本の木となる。



ちょうど柳を植えてみたかったのだ、と根の出た枝を土に挿した。
すくすく伸びた。
2年で立派な柳の木の形になった。
4年も経ったら、「切らないとまずいぞ」と思うようになった。

今、何年経ったか忘れたが、道の電線と、自宅の1階と2階に引き込む電線に
枝が掛かっている。

これで風に煽られたら、柳の枝もろとも、家の電線も引き切られてしまいかねない。



梯子を掛けて登り、枝にまたがって更に登る。

柳の枝は、書いたように、折れやすい。
何年か経った、太い枝でないと、足を置き体重を掛けるのに耐えない。

柳の木肌は、滑りやすい。
薄い皮があるが、簡単に剥ける。
中の緑はよく滑る。
足を置くと、皮が滑って剥ける感じだ。

注意するのは足元だけではない。
手でつかまっている枝も、折れやすかったり滑りやすかったりする。

ざらざらした木に登るよりも、力が要る。緊張する。疲れる。



書いたように、ほいほい伸びる木だし、ご存じの通りしなしなした木なので、
木質はやわらかい。
いざ鋸で切るという作業は、楽だ。すいすい切れる。

滑り落ちないようにしっかりつかまって、切る手にはあまり力は要らない、というわけだ。

やわらかいが、水分も多い感じで、枝は重い。



4mくらい有るメインの枝を2本くらい切った。

切った枝を木の下に落とすのも、コツが有る。
狙った場所へ狙った方向に落とすと、後の作業が楽だ。
下の枝にうまくバウンドさせて、静かに落とす。

長くて重い枝に鋸を入れると、自分の重さで折れていく。
それを利用して折る。
私一人の力では重くて取り回せないような大枝も、
下の枝にうまく引っ掛かるようにしておく。
下の枝を先に切ってしまうと、大枝の重みのままに暴れるので、扱いがたいへんだ。



それにしても、5,6m程度の柳の手入れでこれだけたいへんなのだ。
先が思いやられる。

木を降りて、少し離れて眺めてみると、とてもさっぱりしている。
が、てっぺんの枝が一本、電線に掛かっている。
今は細い一本だが、あれが強く成長したり、周りに枝が増えたりしたら、
また電線が危ない。

あんまりちょいちょい登って切るのは負担だ。
この際、根元から伐り倒してしまおうか。
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