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2018年04月06日06:06

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簡素生活を実践した石原莞爾


革新は社会進歩のために不可避ですが、その犠牲は悲しむべきです。恒久平和の時代となれば社会は不断に生成発展を遂げるでしょう。革新の原因である社会の固定は指導者の固定にあり、革新なき時代を招来するには、指導的地位にあるが者が常により優れた者に譲り、真の能力を有する者が自然に指導者となり社会を創造しなければなりません。

由来革新とは、政治経済上のこととのみ考えられていますが、その根本は人間性の問題です。恒久平和を前にする維新は既に革新の卒業式に近づき、強い人間性の革新が要求されます。指導者は反省深く謙虚であり生活が正しくしなければなりません。これは不可分であり、人間性の革新は結局正しき簡素生活に外なりません。

有能者に応じて指導的地位を与えるが、生活は万民等しくかつ簡素なものでなければならない。国民皆農は国民皆労によって裏づけられなければなりません。今日、社会全般に封建的なものが色濃く残存しています。

勤労を回避して管理的な事務に従事することのみを望み、勤労せずして生活するものが知識階級には特に多い。国民の最大多数は老幼男女を問わず直接生産に従事し、間接生産に従事するものは極度に制限することを要します。

頭脳は人類に与えられた能力を十分に発揮して科学の進歩では一歩も譲らぬ一面、野獣の如き剛健な身体を保持する人頭獅身の生活が、民族の生命を永遠するものです。高等動物である人間は鳥獣に比して格段に鋭敏な直観力を備えているはずです。

人為生活の発達につれて次第にこれを見失ってきた。更に近代科学は、計器、自動機械を直観力に置き換えようと努力しています。しかし人間の真の能力は、直感の練磨と機器の駆使が一体となって発揮されるものと考えます。

直観力は正しき簡素生活によってのみ行えます。簡素生活への生活刷新は至難事です。世界に先駆けて人類次代の新文化を創造し敗戦の大恥辱をそそぎ、至尊に対し奉り万死に値する大罪の万分の一を償おうとする血涙の誓願のみが、よく我等凡夫をしてこの至難事を断行せしめるでしょう。生活刷新の着眼点は次の如きものです。

衣服は虚栄の根源をなす。これを封ずるには模様物を全廃して、全国民の衣服を1色に限定する。差当っては「紺黒」が適当です。食は、全食、なるべく生食を摂る。肥料として酵素を活用して食範囲を拡大するとともに、食物の天然の味を楽しむ。正しき食生活は特に品性を養うもとです。

国民皆農の精神に基づき酵素肥料によってすばらしき作物を育て、酵素を用いて調理し感謝をもって食する。食いたい時に食いたい物を食いたいだけ食えば無病息災となるのが、我等の理想です。

分散する住宅は、位置選定の自由を利用してなるべく物置類を地下に埋め、地下部は極度に簡素な設備とし、類焼防止の空地を大きくする。速かに各地方に適する標準家庭の研究をなすべきです。都市解体のためには住宅の簡素化が特に重大な要件です。
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