[あらすじ] 母85歳の介護用ベッドの置き場所を変える。
その準備のひとつとして、天井照明を紐スイッチ式の物に交換しよう。
ところが、天井の部品が合わない。
しかし、配線を固定するボルトがつっかえて、オス部品を回すことができずに嵌められないなんて、
ずいぶん間抜けな構造のように思えるが、
きっとこれも、今は違った構造になっているのだろう。
買って来た部品は、コードの先端を接点に挟み込むだけになっている。
ボルトで固定する所など無い。
マイナスドライバーを使わない。
工具がひとつ、要らないのだ。
こうやって作業が少しスッキリさせてあるのだろう。
賢いこっちゃ。
配線の正負を間違わないようにしないと。
念のため、インターネットでコードの色を確認した。
記憶は正しかったが、他の情報も得た。
「天井部品の交換は、有資格者でないとやっていはいけません。」
もう遅いもんねーだ。
今さら電気屋さんを呼ぶ気になれるかってんだ。
感電しなけりゃいい。
ブレイカーを落として作業する。
ショートさせないように。
コードの被覆を剥がすのは、最小限だ。
以前の部品では、ボルトにコードを絡めて接点に固定していた。
そのため、裸の部分が長かった。
今度は接点の隙間に突っ込むだけなので、裸部分は５�个睛�れば良い。
切るだけ。
写真だと上からカバーが掛かっているので見えないが、
商品側は四角い部品だったので、天井側も四角の物を買って来た。
天井にしっかりとネジで固定し、配線し、
照明側の部品を引っ掛けて、無事にクリッと回った。
快適。
紐を引くと、４つ全部点く→内側の２つ点く→外側の２つ点く→消える。
内側の１ヶ所に、わざと電球を取り付けない。
こうするれば、明るさが３段階になる。つまり、
紐を引くと、３つ全部点く→内側の１つ点く→外側の２つ点く→消える。
悪くない。
母が退所して来たら、紐の先にリボンでも付け足そう。
この部屋には薪ストーブが有った。
母が危なっかしいのと、自分で薪をくべられないので、
ここ３年はストーブを出していない。
天井は、40年間の煙で煤けていて、黒ずんでいる。
その色に、この照明はなんだかなじむ。
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