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2018年03月22日02:57

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内城育子写真展「火の子の宇宙」開幕

写真は順に
*展示会場(オープン前日)
*毎日新聞3/3夕刊の記事
*日経新聞3/16夕刊の記事


火の子は学者、作家、編集者、各分野のアーティスト、画廊経営者、評論家たちが集った「飲み屋の宇宙」であり、歴代アルバイトたちも多彩なジャンルで活躍する人を多く輩出した稀有な店だった。

在りし日の「火の子」店内の象徴的なポスター「MISTINGUETT」(ミスタンゲット)を中央、天井から吊るして、四方の壁いっぱいに、生前、店の主人だった「いくさん」こと内城育子さんがインスタントカメラで撮りまくったスナップ写真を貼った展示。
このポスターは店内に飾られていたものより小さめのもので、この日のためにネットで調達されたもの。
当時店内の壁に飾られていたものはレプリカだったが、大きすぎる上に額が重くて飾れない。
それに現物は遺族の方が引き取られたはずで手元にはない。
また、展示されているスナップ写真はスナップ写真以外の何物でもないのに、これが毎日通っても見飽きない不思議な写真たちである。
ほとんどがモノクロ写真である。
カラー写真もあるが、それらは薄っぺらくて味気ない、ただのスナップ写真にしか見えない。
写真に写る人々がそれと気付かぬうちに撮られた写真が多く、モノクロのそれらには特別な輝きと奥行きが感じられるのが不思議だ。
撮影者のいくさんは写真に関しては完全に素人なのに、である。
当時のインスタントカメラは日付を手動で変えなくてはいけなかったが、いくさんはそれすら自分で合わせられない人だった。
たまに気付いた店のお客さんが、日付を合わせてくれていたのである。
だから、日付の入った写真の本当の日付は実は不明である(笑)
それも含めて、いくさんが残した愛すべき写真たちである。

夜毎集った酔っ払いたちの瞬間を切り取った写真は、飲み屋という空間でしか交わらない異業種交流が確かに在ったことが汲み取れる貴重な記録であり、遺産とも呼べるのではないだろうか。
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