漆黒に染め抜いた
闇夜の深みのある
静けさの甘美な艶
滑らかな手触りすら
思わせて期待を
いやが上にも押し上げ
最愛にして最高の麗人に
想いを飛ばす
浅き微睡みの中
彼女の意識をノックする
乾いた音が透き通って
漆黒の闇の滑らかな
表面を滑り流れゆく
夢の中で想いを知った
彼女は微笑んで
やがて目を覚まし
髪を整え薄く化粧をし
着替えを終えて
我の訪れを心待ちにする
まだ血が戻りきらず
微かに青みが強く
温もりのある白い肌は
大理石のよう
風情のある
きめ細やかな輝く顔は
完璧な我の好み
逢瀬を心待ちにしたのは
我も彼女とかわり無く
想いを募らせた
吸血の身として
この世にありし事は
彼女も承知の上
我の接吻は牙を立て
彼女の血と共に命をも
少しずつ吸い取る
恐ろしきものと
良く知ってはいても
互いに最後までゆく覚悟
それほど遠くない未来に
彼女を失う苦しみに
出会う定めを想うたび
悲しく狂おしく
胸を切り裂くような
痛みが襲いくる
それ故にこの恋が
至上の愛となり
二人の心を捕らえ
究極の甘美な愛と
なりて喜びに
さらに輝きを増す
この恋は愛の幻想と
ピタリと重なる
唯一の永遠の恋
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