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2018年02月18日20:50

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ワインガルトナー ベートーヴェン交響曲全集

オリンピックが大盛況である。
今までの冬季オリンピックと違い、日本人選手の活躍が著しく、
メダル獲得数も多いのはうれしい限りだ。

そんな中で、1年ぶりの痛風の発作が起こった。
昨日は痛み止めが効いて、音楽喫茶に行って
展覧会の絵の全曲試し弾きをやったのだが
今日は痛みが増しているので、家にこもって音楽を聴いた。

あまりうるさくないものを聴きたいと思い、
フェリックス・ワインガルトナー指揮の
ベートーヴェン交響曲全集を聴いた。
(EMIクラシックス TOCE9285〜89)

交響曲第1番 ウィーン・フィル 1937年10月
交響曲第2番 ロンドン交響楽団 1938年3月
交響曲第3番『英雄』 ウィーン・フィル 1936年5月
交響曲第4番 ロンドン・フィル 1933年11月
交響曲第5番『運命』 ロンドン・フィル 1933年
交響曲第6番『田園』 ロイヤル・フィル 1927年1月
交響曲第7番 ウィーン・フィル 1936年
交響曲第8番 ウィーン・フィル 1936年
交響曲第9番『合唱』 ウィーン・フィル 1935年

史上初のベートーヴェン交響曲全集。もちろんSP録音。

速いテンポでぐいぐい攻めるような演奏。
第2番はラルゲットもかなり速い演奏で驚く。

SPの音質だが、これが独特だ。
ナローレンジだが、ヴァイオリンや木管の音が美しい。
全楽器の響きをブレンドした、渾然一体となったサウンド。
各楽器の響きを分離した、マルチマイクによるステレオ録音とは、
根本的に違う音質。

とはいえ、「英雄」や「第9」などはさすがに厳しく
「第1」「第2」「第4」「第8」の4曲が特にいい。
「第7」がそれに次ぐ。
いずれも早めだが、十分にメロディが歌えていて
本当にいいテンポだなと思う。

「英雄」は、オーパス蔵からもCDが出ていて、
宇野功芳が絶賛しているので、これも聴いた。
EMI盤と違い、非常に力強いサウンドだが、
残念ながら、音が荒れていて、けっこう聞きづらい。
実際の響きは、これくらいパワフルなのかもしれないが
SP復刻でそれを再現しようというのは、さすがに無理だと思う。

「第8」は昔から有名な名演で、
プライザーから出ていたCDが、残響が豊かで愛聴していたが
このEMI盤もいい音だ。独特の美音を味わうことが出来る。

その「第8」だが、1927年にロイヤルフィルと録音した
旧録音も聴くことができたが(これはmp3)、これも良かった。
1927年の録音にも関わらず、十分聴ける音質だし、
新録音と比べて、オケの響きの美しさでは劣るものの
重心の低い、しっかりした響きに驚くほど。
ワインガルトナーは、この曲を得意にしていたのだろう。

この全集盤は、史上初という意味だけでなく、
録音の古さを超えた名演、名盤だ。
掃いて捨てるほどあるベートーヴェン交響曲全集だが
これは聴いて良かった一組と言える。

痛風の足の痛みも気にせず聴くことができた。
あす以降は、痛みがおさまればいいのだが。
9 10

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