先天的視覚障害の発症により殆ど失明してしまった(すりガラス越しに濃霧の中にある物を視るような感覚)青年が、障碍を隠し、夢だったミュンヘンの名門ホテルへの正式就職を目指すという嘘のような、でも実話が基になった物語。せいぜい5%しかない視力を類いまれな記憶力と努力と根性と友人たちの協力でカバーし、シングルマザーの女性との出逢いや父親に裏切られた家族の苦境もあるなか、鬼教官に睨まれながら研修での課題を克服していく。
主人公はスリランカとドイツとのハーフだし、また今作にも難民が出てくる。ノーマライゼーションのあり様を考えさせるよく出来た作品で、障害者雇用を進める意味でも是非これは日本でリメイクすべきである。今のフジテレビこそが手掛けるに相応しい連続ドラマになると思う。
どうやらモデル(本物)の方がもっとドラマティックな人生を送ってきている。映画では健常者のふりをして5つ星ホテルに採用されるべく研修生になるのだがその期間は数ヶ月か十数ヶ月なのに対し、本物さんは何と15年間隠しおおせてきたというのだから。
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