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2017年11月04日09:38

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機械(コンピューター)でもできる仕事

10/22の日経朝刊最後のページ文化欄に、信州佐久の総合病院を退職した医師の随筆が掲載されていた。その記事で、女性の乳房を撮影したX線の写真を仔細に見て、乳がんかどうかを判断する読影試験というのがあるのを知った。おそらくエコー検査でも同様の資格試験があるのだろう。

この医師は、その記事で次のように記述してる。興味深かったので少し長く引用する。

「定年を2年後に控えたある日、一人で乳房X線写真読影の勉強を始めた。2日間の講習会を受講し、読影試験に合格すれば認定医になれる。1年半かけ3回目の試験で合格した。2回目の不合格で実際の乳がん症例写真を多く読まねば駄目だと気付き、はるか年下の乳腺外科部長に頭を下げ、乳がん患者さんの術前画像を読ませてもらう許可を得てようやく合格をしたのだった。
定年直後の春から乳がん検診の一次読影に参加した。最終判定を下す二次読影は経験豊富な現役女性医師が担当する。様々なモニタが並ぶ読影室の片隅に厚いカーテンで照明を遮った区画がある。手元の字がようやく読める暗い環境で高輝度高精細のマンモグラフィ専用画像を相手にマウスで拡大や画質調整の操作を施し、乳がんの微妙な変化を見逃さないよう気を配る。目の疲労がつのってくると視野がぼやけてしまう。そうなる直前に切り上げ、ザックをしょって病院の裏口から帰る。」

要するに老眼で細かい文字が読めないような中年医師が、目を凝らして細かい画像を見なければならない認定資格があるということである。

申し訳ないが、10年後には、この取得が難しい資格を取る医師はほとんど居なくなるのではないか。

なぜなら、最近コンピュータの分野では、AI(人口知能)の技術進歩が著しいが、特に応用が進んでいるのが画像認識の分野だからである。

例えば、最新のAI技術では、猫の絵をAIにたくさん読ませると、何が猫の特徴なのかをAIは自分で学習し、学習させていない猫の絵をAIに読み込ませ、「これは猫だ」とAIに回答させることができる。

この技術を応用すれば、乳がん患者のX線写真をたくさんAIに読み込ませたあとで、学習させていない乳がんのX線写真をAIに読み込ませ、「これは乳がんだ」とAIに教えてもらうことができるようになることは想像に難くない。

AIを使えば、老眼で細かい文字が読めないような人が、目を凝らして細かい画像を読まなければならないような、非人間的な仕事から人間を解放することができる。そうなると前述の医師のような人はもっと創造的な仕事に時間を割くことができる。
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