映画日誌「猿の惑星：聖戦記」

　前作の公開から少し期間が空いたこともあり、前作に関する描写も少しばかりイメージなどで現れるので、一応、おさらいも含めて前作を見ておいた方がドラマの中に入っていきやすいかもしれない。
　まあ、初めて観るとしても、人間と猿との権力争い、というよりは戦闘が展開するところは見応えがあるし、旧シリーズと比べてもCGの映像も含め、リアルなチンパンジー、ゴリラ、オランウータンの動きで画面に惹きつけられる。
　愚かな人間と、極めて温情的な猿との対比が明確に描かれることで、この先人類は退化して行き、逆に猿が地球を支配することになる、ということが分かるのだが、これが旧作の第1作に繋がることが理解できるのは、年配の人に限られるだろう。
　ただ、もうひとつ旧作に繋がるものとして、言葉が話せない人間の少女が登場するのだが、この少女の役割、位置づけが　やや曖昧な感じ。
　人間と猿はあくまで敵対するものなのか、それとも、共存すべきものなのか。
　これは旧作のシリーズでもはっきりしないテーマだったので、今回も良く分からないままなのは仕方ないか。
　さすがに今回でこのシリーズも完結したようなので、改めて旧作のシリーズも見返し、時代の繋がりをいろいろと整理してみるのも面白いかもしれない。
★68点