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2017年09月17日19:10

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まさに「夢心地」・・・京響 「京都の秋」オープニングコンサート

今日のオケに、「ジュンイチ・ドリーム・オーケストラ・キョート」という名前を送るのは、余りにベタかしら?

京都 京都コンサートホール
第21回「京都の秋」音楽祭 開会記念コンサート
広上淳一指揮 京都市交響楽団
ピアノ独奏 ルーカス・ゲニーシャス
すぎやまこういち:序奏「MIYAKO」(2016)
ショパン:ピアノ協奏曲第2番へ短調
ラフマニノフ:交響曲第2番ホ短調

3日連続のコンサート。さすがに、疲れて来ました。でも、行ってよかったです。

いつも、京都の秋のオープニングは、ぐすたふくん、パスするんですよね。一つには、この音楽祭は京都市の主催で、そのオープニングはひとえに京都市民のためのもの。京都市長の挨拶もあるし、本来京都市民ではないぐすたふくんとしては、遠慮しておこうという気持ちもある。加えて、前に一度参加した時の演奏のテンションが、定期のそれとは明らかに違っていて、やはり「イベント」なんだなあ、それなら来ることもないかなあ、と思ったのもあるんです。

今日は違いましたねえ。さすがに、明日、東京で同じプロで勝負かけるだけのことはあります。

テンション、という面で言えば、ラフマの4楽章の最後、いつ果てるともしれずうねうねと続く絶頂の時間を、これでもか、これでもかと、テンションマックス、全身を使って熱演する広上さんとオケの面々の熱気、すごかったですねえ。圧倒されました。この尋常ならざるテンション、大丈夫か、最後まで持つのか?、と正直心配になりましたもの。

でも、やはり出色だったのは、3楽章。白眉、でしたね、今日の。

まさに、「夢見るような」・・・・小谷口さんのクラリネットが導く、甘美な夢の世界。それは、昨日や一昨日のカンチェリのヴィオラが導く白日夢ではなく(奇しくも、どちらも、曲種によっては相互に互換が可能な「ALTO」楽器であることに気がつく)、夕日の如く染まる憧憬、焦がれるような想い、熱くむせ返るような愛・・・・その暖かな暖かな響きに抱かれる時、素直にここにいることの、音楽を聴くことの幸せに心が震える。

その「夢のような」時間は、ショパンのコンツェルトの2楽章でも。

玉のように転がり、クリスタルのように煌めくピアノは、可憐な少女の微笑みのような情趣を讃え、「無垢」という言葉を音にしたらこうなるのか、と思わされるほど。その音もまた、この現実の時間の流れから私たちを切り離し、夢の中に誘う。そこでは、時間は止まり、暖かな慰撫の空気が私たちを包む。

現実は厳しいかもしれない、甘くはないということはわかりすぎるほどわかっている。でも、僕たちはひとときの「夢」を見たいんです。

外では暴風が吹き荒れようとも、内では人々の暖かな気持ちが大きく膨らみ、決して侵されることはない・・・広上さん、京響のみなさん、ありがとうございました。


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