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2017年09月14日00:05

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まちゼミ

 『まちゼミ』というものがあります。商店街の店主が講師になって、プロならではの専門的な知識や情報、コツなどを受講者に教える少人数制のゼミです。
 静岡県の岡崎で始まったようですが、現在は各地で催されており、川崎大師でも開かれています。

 以前から興味はありつつ、なんとなく気後れしていたのですが、先日、思いきって申しこんでみました。川崎大師では現時点で25のコースがあるのですけど、中でも特に『まちゼミ』そのもののイントロダクションと思しき最初の講座を選びました。
 講師の方は、やはり、ここでの『まちゼミ』を取り仕切ってらっしゃる方らしく、さらにいろんな世話役をやっておいでのようで、大師周辺を歩きながらいろいろと興味深いを話を聞けて楽しかったです。

 このあたりの商店街は、なにより大師への初詣あってのお店ばかりで、正月に一年の稼ぎのほとんどを上げて、残りの11か月は場所とりぐらいに考えていたのですが、それは極論すぎながら、1月と2月の売り上げが年の半分以上にはなるそうです。
 とはいえ、この2か月の忙しさはただごとでなく、備えるために年末や忘年会の営業は受け付けないとのこと。この機会損失をかぶったとしても余力を残しておかなければ、乗り切れないほどだそうです。たしかに、それぐらい消耗しそうな参詣客の人波ではあります。

 綱島に住んでいたころ、住宅街のなかの小さな商店街の完全消滅を目の当たりにした身にしてみれば、こちらの商店街の安定感は盤石に思えるのですけど、それでも確実に縮小傾向にはあるそうです。しかも、なまじ過去の蓄積があるため、危機感が希薄で建て直しの機運が今一つなのも悩みの種ではあるとのこと。

 もっとも、とにかく商売がお大師さま次第なのは間違いなく、その状況でコストを投入してリスクを負えるか、自分ならそれができるかといえば、難しいだろうなあとも思いました。

 大山門のすぐ前、仲見世通りにもチェーン店が進出しているというのを聞いた時には、けっこう驚きました。チェーン店といっても、マクドナルドやセブンイレブンではなく、和ものアイテムのショップで、知らないと個人店との区別はつかないでしょう。ただし、今、全国の大きなお寺の門前町にはすでにこうしたお店が並んでいて、このままだとどこも同じようになるとのことでした。

 しかし、傍から見る限り、こうしたお店の方がノウハウのあるチェーンの強みというべきか、雰囲気なども特に若い層への訴求力において優れているようであり、理想を言えばこうした存在も取りこみつつ、閑散期のリピーターにつなげられればいいのでしょうけれども、具体的にどうするんだよと言われれば、まあ、難しいですなあ。

 そんなお話をうかがいつつ、ちょうど同じ時間帯に開かれている講座をいくつか見学させてもらいました。『まちゼミ』の趣旨そのものは前述の通りなのですけど、古い商店街の店主のみなさんは趣味人が多いのか、講座は本業と関係ないものがけっこうあります。
 そして、実際に会ってお話してみると、みなさん余裕のある大人という印象を受けました。私が子供の時分にはあまり周囲にいなかったタイプの方たちといいますか、自分もその年齢を通りすぎてみると、あれはあれでしょうがないのもわかるし、時代も違いますけれども。
 で、おもしろいことがいくらでも聞けそうでしたから、都合がつけば他の講座も受講したくなりました。

 『まちゼミ』について、お店の方になにかメリットがあるのか疑問に思われた方もいらっしゃるかもしれませんが(基本的に無料です。実費のかかる場合もあります)、お店の方と実際に会って話してみると、街の見え方が少し変わった気がします。
 休みの日に、今まではとりあえず川崎駅前に出て、それから考えるぐらいの感じでしたけど、大師の界隈をしばらく歩いて買い食いなんぞ試みても、けっこう楽しめそうな気がしています。特に私の場合は、年始の大混雑に無意識をやられて、大師へ近寄るのがなんとなく億劫だったのですけど、それを払拭できたのは大きいといえそうです。

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