■25日(金)■ ≪特集のシンポジウム 15:50 〜17:15 ≫ *前半
最前列で見たい女優ゲストがいる訳ではないので、クッションの効きの良いイス重視で、2列目に腰を下ろします。
程なく、ゲストの皆さんが入って来られ、左から、司会の野村正昭さん(映画評論家)、中島貞夫監督、脚本家の高田宏治さん、さっき到着されたばかりの俳優・片桐竜次さん、の順で長机の向こうへ座られます。
ここは勿論、昨夜のシンポと同じ場所ですが、昼間なので縦長のセッティングです。
ゲスト席の背後は大きな窓ガラスになっており、陽を浴びた緑の山肌のところどころに、雲の形の影が映っているのが見えます。
観客は、入り口脇のテーブルに並べられた紙コップ入りの冷たい麦茶を自由に取れるようになっていますが、ゲスト席の皆さんにはガラスコップに入れられた麦茶が出されます。
そのコップが置かれるのは、各々の前に敷かれた布(手ぬぐいを二つ折りしたような感じのもの)の上。 マイクも、この上にあります。
こういう布は昨年まで、使われてなかった筈。
とても良い思いつきだと感心しました。
ゲストには特によく冷えた麦茶が出されるのか、コップの外側にはすぐに水滴がつきますから、下に布があれば机の上が濡れるのを防げます。
また、そのゲストがマイクで話し終わって机に置く時、もしスイッチを切っていなくても布の上に置けば、ゴツンというような雑音を拾わないで済みますから。
来年以降も、続けてほしいもの。
今度は、どんな柄の布が敷かれていることでしょう。
監督 「70年代の東映は、エロとポルノが主流でしたね。 一方、任侠映画は、『仁義なき戦い』〜実録路線へと形を変えていきました」
高田 「中島とは、とにかく古い付き合い。 映画界の盟友です。 中島は、本当に東映を支えてきました。 便利屋みたいに使われていたけど腐らず、お仕着せ企画の映画もちゃんと観られるものに仕上げてきました」
片桐 「『ポルノの女王 にっぽんSEX旅行』 みたいな作品でロケしていて、一般人から ” なに撮ってんの?” と訊かれても、タイトルを口にすることなんて出来ないでしょう?(笑)。 そんな作品もやってたんです」
中島監督は現在はとにかく、映画監督らしからぬ好々爺といった感じの方。
高田さんは、カミナリ親父風(失礼)。
いいコンビに見えます。
高田 「中島監督は、スターを大事にする! 役者を大事にしているのが、スクリーンから伝わってくるの」
片桐 「監督は、きついシーンでも役者が何となく ” やります ” ってなるよう持っていくのが上手いんですよね(笑)」
監督 「渡瀬恒彦が主演したバスジャックものの 『狂った野獣』 は、番組に穴が開きそうになったから急に撮らなければならなくなり、短期間で何とか完成させました。 渡瀬には公道でバスを運転してもらわなければなりませんから、” 10日間で特殊免許とって来い!” と命じたら、1週間で取ってきました。 クライマックスのバスの横転も、スタントマンでやろうとしてたら、本人が ” やらせろ ” と」
そのバスに乗らなければならなかったのが、片桐さんや川谷拓三さんたち。
片桐 「結局、みんなで渋々バスに乗りましたよ(笑)。 それが、午前中の撮影だったんですけど、昼からは、命綱なしでヘリにぶら下がる撮影で。 人形でもいいんじゃないかと思ったんですけど、監督は知らん顔してて(笑)。 やりましたよ。 この日は、1日に2回も大変つらい思いをしました」
(この項、続く)
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