『パターソン』

　生まれも育ちもニュージャージー州はパターソン市。バスの運転手パターソンは詩人でもある。妻は公表するようにとしきりと勧めるが、気が乗らない。手ごろな家で妻と愛犬との、毎日判で付いたような暮らし。ちょっとした騒ぎはあるにしても…


　アメリカ映画を観てると時たま出てくる地名がニュージャージー。どうやらＮＹの隣りにあるらしい。通勤圏である地域もあるという。しかし、どうもＮＹ市民からは少々バカにされてる感じがする。日本で云うと、そう、埼玉。ＮＪ生まれというと、ブルース・スプリングスティーン（ぐらいしか知らない）。
　実のところ、ＮＹというけれど、ＮＹ市とＮＹ州とではえらい違いであって、つまり東京都といっても奥多摩やら島嶼部もあるみたいなもので、ＮＹ州の奥の方よりはＮＪの方がずっとＮＹ市に近く、都会だったりする。埼玉を馬鹿にするな。
　で、パターソン市というのは絹産業で発展した町らしい。大きな滝も流れている。そうか、あそこは秩父だ(爆)。あんな山際ではないとすると小川町あたりか。

　まあ、マンハッタンから車を飛ばすと３０分ぐらいで着いてしまうような場所らしい。ジャージーシティみたいにＮＹと隣接しているわけじゃないから、この映画に出てくるようにいいように寂れた雰囲気なのかもしれない（きっともっとゴチャゴチャした地区もあるのだろうけど、そういうところではジャームッシュは撮影しなかったに違いない）。永瀬正敏のような日本からの旅行者（詩人）が訪れてもおかしくない。

　アダム・ドライバーもカイロ・レンみたいな役を演っちゃったけど、本来はこっち寄りなひとじゃなかろうか。（と騙されるわけだけど。Ah-ha-）