昨日届いたWashington Post紙のニュース・レッターが、目下世界の注視の的の北朝鮮問題を取り上げていますので概略ご紹介します。
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トランプ大統領は先日北に対して激しい言葉で警告を発しているが、政権内部では戦争を始める用意があるようには思えない。むしろ、北に対して直接対話の道が開いていると示しながら経済制裁と武力行使をちらつかせて北側をけん制するという合理的な道をとっているように見える。
マティス国防長官とティラーソン国務長官が、口を揃えて「アメリカは北朝鮮と対話の用意がある。アメリカ側が目指すのは北の非核化であり、体制改革ではない」と明言している。
このやり方が功を奏する可能性も見えてきた。
火曜日には北側の公式メディアが、いつもの激しい言い方をトーンダウンさせて、見方によっては対話を示唆する動きともとれる声明を出したのだ。
「取引」を好むトタンプ大統領には好ましい兆候に見えたかと思われる。
トランプ政権誕生により、北朝鮮問題に関心のある人たちには、慎重ではあるがある程度楽観的な気分が生まれたはずだ。トランプ氏は選挙戦の中で、金正恩とハンバーガーを食べながらの直接対話に喜んで応じると繰り返している。最近の危機的状況下でも、「いい奴キム」に対話を呼びかけている。
「トランプ大統領ほど平和的な解決を強く望む者はいまいだろ」とまで言っている。
その裏では確かに物事が進められている。”Track�供箸噺討个譴詒鷂�式協議だ。通常北側は現役の外交官をだしてくるのに対してアメリカは元外交官が対応しているので、国家間協議とは言い難いが、それでも公式協議開催のためには何が必要かを理解するのに有効であるのは確かだ。
この一環として行われた北朝鮮問題のアメリカ側特使ジョセフ・ユン氏の北側外交官との拘束されているアメリカ人の開放交渉の結果、大学生のオットー君が釈放されている。
その後もNYチャネルと呼ばれる会談が行われたが、余り進展はみられていない。公式会談開催の前提条件（アメリカ側は拘束されているアメリカ人の全員釈放、北側は米韓合同軍事演習の中止）がネックになっているようだ。
７月に一旦正式協議開催が決まったが、討議案件がかみ合わず中止となったとの情報もある。
最大の問題は北の核兵器にあることは間違いない。これまでのTrack�橋┻弔任蓮▲▲瓮螢�は核の放棄を要求するのに対して、北側は核兵器は抑止力として必要不可欠だとして譲らない。
仮にトランプ大統領が何らかの形で協議を申し入れ、北がそれを受け入れたとしても、議会の承認を得るのは難しいとみられている。多くの議員たちが、1994年に締結した北との核合意が北側の誤魔化しの発覚で消えてしまった苦い経験を記憶しているだろう。「戦略的忍耐」というオバマ政権の政策も、交渉の場では譲歩を求めるだけで自分たちは何も失いたくないという北の態度への不信に基づくものであった。
多くの当事者が対話と交渉の時代に戻ることを願っている反面、北側の最終目標が南の韓国との平和的共存ではなく、統一とその支配にあると危惧する向きも多い。ブッシュ政権で東アジア担当の国務次官補を勤めたクリス・ヒルl氏も「核に対する北の執着心は、実利的なものというより、侵略目的と言った方がよい」と語っている。
北朝鮮のプロパガンダの研究者B.R.メイヤース氏も「最終的には北と平和条約を結ぶべきと主張する穏健派と称するひとたちは、そのような条約締結が何を意味するのか理解していない」と言う。
結局のところ、全ては33歳の金正恩の肩にかかっている。彼がアメリカに何を求めているのかさえ最終的な答えはなく、はっきりしていないのだ。たとえ彼が核兵器に執着しているとしても、貧しく孤立した祖国に繁栄を取り戻したいと思っているのは間違いない。従って、これ以上の経済制裁は彼には耐えがたいかもしれない。
だが、如何なる取引にも双方の堅い約束が不可欠である。また、トランプ大統領が軍事行動よりも話し合いを望んでいるかも明らかではない。
消息筋によれば、政府高官たちは、先制攻撃は得策ではないとトランプ大統領を説得していると伝えている。今こそ「商売人のウデ」の見せ所であろう。
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