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2017年08月06日14:35

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中野信子著 『サイコパス』

中野信子著 『サイコパス』 文藝春秋 2016年

サイコパスとは一口で言えば、羞恥心や恐怖を感じずに
済み、他者への共感に著しく乏しく自らの利益や目標追及に
秀でた人で、家族や友人にも冷徹になれる人のことだ。

FBFがよくサイコパスについて言及していたが、
この本を挙げていたので、読んでみた。
図書館にリクエストしたら中々順番が廻って
来なかった。

人気があるなぁと思い、アマゾンの書評を
覗いてみた。トップに本書は外国の文献を網羅しただけ
とあった。それは否めないが、本書によりこれまで疑問に
思っていたことが明らかになった。

先ず、著者の中野信子氏は脳科学者。
そこで、先天性対後天性という対比に関しては前者だが、
後天的な要因である教育により違いが表れることが鮮明な
実験結果を挙げている。

本書を読んで良かったのは以下の諸点だ。

サイコパスとソシオパスとは同じ意味!?
サイコパスは犯罪者で、ソシオパスは準犯罪者と思い込んでいた。
これだけでも収穫だ。

以前から疑問に思っていた2点に光が与えられた。
それは、マザー・テレサとスティーブン・ジョッブス。
二人ともサイコパスだというのだ。

マザーテレサは莫大な寄付金が自分の通帳にあるのに敢えて
病院を貧者のために建てず、劣悪な環境で収容者が死んでいく
のを赤貧の美徳のうちに亡くなっていくことは神の栄光のためだと
唱えていた。しかし、マザー・テレサ自身はしっかり米国の病院で
治療を受けていた。

スティーブ・ジョッブスが友人に働かせて、自分がやったことにして
濡れ手に粟というのを聞いたことがあった。
本書によれば、下級エンジニアだった頃、課題をこなせず、友人の
スティーブ・ウォズニアックに仕事をやらせ、得た報酬5000ドルを
正直に明かさず、700ドルだったと報告して、350ドルしか渡さなかった
そうだ。

韓国の新聞にはサイコパスということばが頻繁に載っているそうだ。
韓国の性犯罪(8歳から80歳までの女性が犠牲者)と詐欺(偽証罪で
有罪になるのが確定的なものだけでなく、下請け工事で建物や橋が
倒壊)の事件を読んでいると、自然に思えるが、中野信子氏は韓国の
社会成長発展の過渡期であり、脳科学的なものではないと言っている。
これ、脳科学者の看板に反するのでは?


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