こういう企画ってやりたいことが分かるだけに、過去のインサートの仕方だとかアラばっかり目立ってしまう。
(いかんのですよ。決して悪い映画じゃないんだから。基本は褒めないと)
何が一番拙かったのかなあと考えていくと、演出・演技ではないかという結論に達した。主人公はもっとメリハリのある演技をしなくっちゃ。フィリピンのリアルを描きたいという社会派的な意識があるのだろうけど、方やファンタジックな要素もあるわけで、だったら映画的な飛躍があってもよかったのではないか。主人公の父親が「改心」するとは思えないけど、その拭えない差別意識を嗤うか哀れに思えるような場面が欲しい。あと、一ヶ所ぐらいは俯瞰というかカメラを引いて見せるようなカットが欲しい。例えば、ラストは空撮にして、主人公(の飾られた遺体)を見ようと各地から集まった大勢の人間の様子を写すとかね。
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