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2017年06月24日18:21

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ロシアンゲートの衝撃

昨日のワシントン・ポスト紙が特集した「ロシアンゲートの内幕」は可成り突っ込んで米露対立の内幕を報道しています。何分長文なので、舌足らずの訳になりますが、雰囲気だけでもお伝えできればと抄訳をご紹介します。
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昨年8月初旬、一通の封書がCIAからホワイトハウスに届いた。「取り扱い厳重注意」の警告つきだ。閲覧者はオバマ大統領と三人の上級補佐官のみに限定され、更に読み終えたら直ちにそのままCIAに返却するという要請までついていた。
内容はロシア政権内部の奥深くから入手した極秘情報。アメリカ大統領選を妨害するサイバー攻撃にプーチン大統領が直接関与している詳細な証拠である。
情報は更に突っ込んで、ヒラリー・クリントンを打ち負かすか少なくともダメージを与え、ドナルド・トランプを当選させる手助けをするサイバー攻撃作戦を、プーチン自身が直接指示していたことを明らかにしている。

この頃には、大統領選に対するロシアの妨害工作の概要が明らかになってきていた。ロシアの情報機関と密接な関係を持つハッカーたちが、民主・共和両党のコンピュータ・システムに潜入して情報収集に当たっていたというのだ。
7月にはFBIはロシアがトランプ陣営と接触していた事件の公開捜査に踏み切った。
ブレナンCIA長官は8月初旬にホワイトハウスに対してプーチンがからんだ大統領選妨害に関する警告を出し、ロシアの安全保障局のボルトニコフ局長に対して、大統領選への干渉を止めるよう強く警告した。
事件の微妙な内容に配慮して、ブレナンはプーチンが直接これに関与しているという情報は、定例記者会見では言及しないようにオバマ大統領に進言している。
オバマ大統領はスタッフに対して、選挙関連のコンピュータ・システムの脆弱性の調査を指示した。
この時から翌年1月の政権移譲までの5か月間、オバマ政権はこの問題に対処するため、あらゆる選択肢を検討してきた。ロシアのインフラ・システムをかく乱するサイバー攻撃、CIA情報をロシアにぶつけてみること、更にロシア経済に打撃を与える制裁などなど。
しかしオバマが承認したのは、二つのロシアの施設の閉鎖、35人のロシア外交官追放と
形式的な軽い経済制裁を組み合わせた穏やかなものだった。オバマ大統領は、その他に、もし米露間の衝突が激化した場合に有効となるサイバー爆弾をロシアのインフラ・システムに仕掛ける秘密工作も承認したが、オバマがホワイトハウスを離れる時には、この作戦
はまだ計画段階にとどまっていて、この計画を実行に移すか否かはトランプ新大統領が判断するところとなった。

ロシアのこの選挙妨害は、アメリカの民主主義体制を揺るがす前例のない世紀の攻撃である。オバマ大統領がプーチン大統領に対して9月に出した警告のお蔭で、アメリカの選挙システムに対する直接の妨害工作にまで発展しなかったとも言われている。
政府関係者は揃って「これは我々の政治システムの心臓に対する攻撃だ」と深刻に受け止めているが、オバマ大統領の対応には一様に理解を示している。


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