「サージェントペパーズ」の内周の溝

今年はビートルズの名盤
「Sgt.Peppers lonely hearts club band」が
発売されて、ちょうど50周年だそうだ。

もはや、言わずもがなの名盤であるが、
とくに、「Lucy in the sky with diamonds」や
「A day in the life」の前衛的なインパクトの強さは
いまでもまったく衰えていない。
真の名作の凄さというべきだろうか。
（個人的には、冴えまくっているジョンに比べると
ポールがイマイチだなと思うけれども）

「Sgt.Peppers」のCDには、最後の曲「A day in the life」が
終わったあと、
LPレコードの最後(内周の溝)の部分に
女性のかん高い声や騒音が数秒間、入っている。

これは、今となってはいらないのではないか？と
思うのである。

少年時代に、この名盤を初めて聞いたのが
1980年ごろに出ていた、日本盤LPであった。
（マニアの間では「国旗帯」と呼ばれているもの）

この日本盤LPには、最後の数秒間が入っていなかったのだ。

この「最後の数秒間」は、オリジナルの英国盤には入っていたが
アメリカ盤には入ってなかった。

日本盤LPを、繰り返し何十回も聴いてきた自分にとって
そんな事情はまったく知らなかった。

この、最後の部分を収録しなかった、
アメリカ盤、日本盤の制作スタッフの判断は
適切、賢明だというべきであろう。

「A day in the life」の、最後の音が
延々と引き延ばされ、消えるように終わる。
それで、「Sgt.Peppers」も終わる。

そのあとに、素っ頓狂な女性の声や騒音が
必要であろうか？
自分は、要らないと思う。

それに、LPの溝のイメージというのは
CDでは、なかなか実感できない。

You Tubeで、この最後の部分のみLPで再生した
動画がある。

「Sgt. Pepper Inner Groove - XEX638-1 G (1967) and YEX-638-6-1-2-7(T?) (c.1987)」
https://www.youtube.com/watch?v=x1gov1oSV-0

「The Beatles - Sgt Pepper's Inner Groove (first forwards, then backwards)」
https://www.youtube.com/results?search_query=beatles+inner+groove+

これを見ると、この部分はLPの特徴を利用したアイディアであって、
CDやPCオーディオなどでは、まったく無意味だと思うのだが。

「A day in the life」のあと、変な騒音のない
CDやデジタルファイルは出ていないのであろうか？
まだであれば、ぜひ出して欲しいと思う。