mixiユーザー(id:9783394)

2017年04月07日15:52

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老舗の虫(0058 O.S.C.A.)

自分が設立した自動車会社を去る、という悲しい出来事が時々起こります。例えば、アメリカでオールズモビル社を設立したランサム・エリ・オールズ(Ramsom Eli Olds)が自分の会社を追い出されてREO社を設立したことなどよく知ています(CG誌2005年7月号「自動車望見」参照)。
イタリアでもマセラティ兄弟が自分達が戦前に設立したマセラティ社を出て、1947年に新しい会社を設立しました。レーシングカーやスポーツカーに特化したこの会社はO.S.C.A.といい、小排気量エンジンを搭載したかなり尖ったクルマを作っていました。

アーネスト(Ernest)、エットーレ(Ettore)、ビンド(Bindo)のマセラティ(Maserati)3兄弟は自分達の会社の株式を売却した資金を元手に、イタリアのボローニャでO.S.C.A.(Officine Specializzate Costruzione Automobili)社を設立します。小排気量のレーシングカーやスポーツカーを世に出したいという想いからです。

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最初のクルマはMT4というモデルで、フィアットベースの1092ccエンジン(72ps/6000rpm)を2座のオープンボディに積んだスポーツ・レーシングカーでした。ベースとなったフィアットのエンジンは「イタリアの虫(戦後作られたスタンゲリーニなどの小型レーシング/スポーツカー)」によく使われていたモノです。このマシンは1100cクラスを念頭に置いて開発され1947年からレースに出てきますが、1949年に1342cc(90ps/5500rpm)に拡大され、さらに1950年に100ps/6300rpmのDOHCエンジンにグレードアップされます。
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1953年には1453cc(110ps/6200rpm)に拡大され、1954年のシーブリング12時間耐久レースでスターリング・モス(Stirling Moss)/ビル・ロイド(Bill Lloyd)が優勝しています。1955年には最終的なツインプラグ仕様の1491cc(120ps/6300rpm)になります。かなりの熟成/パワーアップですね。このマシンはFS372という新しいコードネームを与えられて5台作られたようです。

このMT4がO.S.C.A.の代表的なモデルとなりましたが、以降も色々なモデルを出しています。フィアットと共同で開発したクルマも。またボディも2座オープンだけでなくクーペもあったようです。
MT4のようなスポーツ・レーシングカーの生産だけでなく、エンジン単体の製造も行っていました。有名チームにも供給していてF1などにも出場しているんです。しかし1967年に活動を終了します。復活の兆しは無いようですね。残念ながら…

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