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2017年03月24日00:40

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回転重視のペダリングへのチャレンジ

■ 回転重視のペダリングへのチャレンジ

踏んでいないと上り坂を速く走れていないんじゃないかと思いがちです。確かにグイグイ踏み込むペダリングで走るとスピードは出ますね。でも、それには心肺機能も耐乳酸性も、乳酸除去能力も鍛える必要があります。

登坂抵抗に打ち勝つペダリングが常に要求される、ヒルクライムレースの特性に合わせて本格的に鍛え上げているライダーなら、トップライダーのようにスタートから22km先のフィニッシュまで、1時間を切って、踏み続けることができるかもしれません。

だけど、そんなヒルクライムにターゲットを絞ってトレーニングしているライダーでも、上り坂で登坂抵抗に対抗するパワーを発揮して、時速24kmから30km前後のスピードを維持して走りつつ、上り坂の勾配や距離に合わせて踏み込む力と回転力のバランスを探しながら走りパワーセーブして走ります。

上り坂の途中で、途中で疲労物質が蓄積して筋肉の収縮力を抑制してスピードダウンしないよう、ぎりぎりの運動強度を把握して、ここは踏み込む場所、ここはスピードを維持して行く場所と走りを切り替えて、ロケーションに合った効率のいいスピードとパワーで走って、トータルでタイムを短縮する走りをしています。

ヒルクライムのレースは常に登坂抵抗との戦いになり、スタートから大きなパワーを発揮し続けることになります。高いレベル出の有酸素運動と、無酸素運動のミックス状態になります。登坂抵抗に打ち勝つための踏み込むペダリングは、無酸素運動の領域に入るので、乳酸が発生して、しばらくその高い運動強度レベルを続けると、ライダーの乳酸濃度が高まっても筋肉の収縮を続けられる、耐乳酸性の個人差もありますが、その耐えられるレベルを上回ると、筋肉の収縮を抑制し始めてパワーダウンします。

まだそんな、踏み込むペダリングで22kmを走りきれないというライダーは、回転重視のペダリングで上ることにチャレンジしてみましょう。上り坂を回転重視で走り切るのも、呼吸数や心拍数が上昇する苦しさに耐える覚悟がいります。それは、脚の筋肉の収縮を妨げる乳酸の発生を抑制することができます。毎分95回転から110回転をキープできる軽めのギヤ比で走り、脚の筋肉の動きが重くなりにくいペダリングで走ります。

毎分95回転から110回転キープの回転重視のペダリングで走ると、まず戸惑うのは呼吸数が上昇して苦しくなること、そして心拍数も170拍を越えてドキドキしてきて、これは肉体的にも精神的にも苦しいので、効率が悪いのではとか、苦しくて続けられないとか、疲労が激しいのではと思ってしまいがちです。特に初めての体験ではそう思ってしまい、踏み込むペダリングで筋肉のパワー頼りのペダリングに戻してしまうライダーが多いのです。

でも、初めての回転重視したペダリングでの上り坂の走りは、呼吸や心拍が上昇して苦しい走りでも、走り切った時の脚の筋肉のダメージが少ないことに気が付くはずです。最大勾配8%くらいの上り坂を、毎分95回転以上をキープできるギヤ比を選んで走ってもらいました。

最初から110回転で走っていましたが、どうもディープリムホイールのパワーロスのない370gのカーボンリムのホイールより、このライダーにはカーボンロープロファイルリムが350gと軽く、踏み出しが軽いハイペロンの方がマッチしているなと感じて交換しました。

34T×32Tの軽いギヤ比で、110回転から114回転で上っています。呼吸数は上昇して、心拍数も175拍を越えて苦しくなって、肉体的にも精神的にめげそうになるそうです。でも、苦しいのに脚への負担は余裕を感じてクルクル回せています。

かなり苦しいのに5kmの上り坂を、クランクを110回転で回せて、いままでにないスピードを維持できるという不思議な体験だったそうです。次の上りセクションは、時速1kmから2kmスピードを落として、軽く回せるギヤ比で100回転から105回転キープの設定で走ってもらいました。

時速1kmから2km落とすことで、かなり楽に走れるようになります。高いケイデンスを保つために脚の筋肉を早く動かすことになり、乳酸を発生させる原因になることもありますが、毎分70回転とか85回転くらいで走るのを楽に感じているライダーは、呼吸数や心拍数が上昇しないことを楽だと感じているのです。

低回転のペダリングで前へ進む感じの、気持ちのいいスピードを維持する走りは、最初の1時間から1時間半は苦しくない気持ちのいい走りと感じます。ところが、いつまでも続けられそうだった、気持ちがいい走りのはずが、思ってもいない事態になります。

低回転の踏み込むペダリングは、乳酸除去能力を上回って徐々に乳酸を蓄積して、乳酸濃度が耐乳酸性を上回って筋肉の収縮が抑制されて、踏めなくなってパワーダウンして、スピードが低下してしまいます。

そうなると、そうにもこうにもクランクを踏み込めなくなって、スピードダウンしてしまいます。20分とか30分走ると血流によって乳酸が除去されて、また踏めるようになります。こういう経験をしたことがあるライダーはぜひ回転重視のペダリングにチャレンジしてください。

毎分70回転から85回転を心地良いと感じているライダーは、最初は少し軽く感じるギヤ比に設定して、毎分90回転を目標にペダリングします。少しずつクランクを回す脚の動き、呼吸数や心拍数の上昇することに慣れていくことをトレーニングします。

そうすることで、軽い負荷でパワーを発揮できるようになり、乳酸の発生が抑えられたり、パワーダウンするまでの間隔が長くなったり、快適なスピードを維持して長く走れるようになります。ヒルクライムだけでなく、ロングライドを元気に完走するための基本的なメソッドです。

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