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2016年12月03日22:40

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アルファロメオ 4C

試乗記録の連続(笑)。


基本的に、昨今の成金相手の演出型「スーパーカー」には
あまり何も魅力を見出さないわたしだが、
これはなんかそそるものがあって。

ローンチエディションはあっという間に完売して、
出た頃には全く乗る機会が無かったのだが、
なんぞ前触れなしにいきなりフィアット販社から

「124、試乗しませんか?」

的なお誘いがあったついでに、じゃあ4Cも乗せてよってことで。

申し訳ないが、
124については別段日記に書くほどのことはないかなあ、って感じで、
NDロードスターとは違った味付けになっているのは認めるが、
個体差にしては妙にシフトが入りにくいことなどから
明確な差で好感を得るところまでは行かない。

※フィアットさんによると、トランスミッションはNDと同じだと言ってたが。


で、その4C。
フォト


以下、極めて感覚的な記述に塗れているのだが、
総じて「丁度いい」という表現以外に適したものが見つからなかった。

ナカナカこれはいいかも。

試乗したのは虫の複眼的なクーペではなくスパイダー。
オープントップには拘らないのだが、
あの虫目がゾッとして好きじゃないのでわたしはこっちの方がいい。

ゴテゴテしていない、というか、素直、というか、
今の車だからそれなりの電子装備が盛られてはいるけど、
少なくとも掌の上で踊らされているような「演出」感による食傷はない。

ステアリング回りもスッキリしたもので
フォト

あれもこれも感のスイッチだらけのものではなく、
原則的な運転操作に没頭できる。

試乗前に営業さんから

「パワステでないので、すごく重いですよ」

と脅されたのだが、

「今はこれで『重い』とか言うんだ。。。」

って逆に感心したくらい、普通。

900kg程の車体で前にエンジンのないミッドシップ、
前タイヤが205/45R17でキ○ガイのような太タイヤデコレーションではない。
据え片手クルクルは流石にできなくても、
微速に入れたら途端に軽くなるし
やっぱりアシストのないステアリングは
曲がっている際の応力を自然に感じてとても良い。

軽さに対する原動機の性能も十分過ぎる。
この車重に対して36kg・m弱のトルクを4000rpmで発生するので
トルクウェイトレシオは約25。
過去に試乗したことのある車種では458イタリアとほぼ同じ。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1545534253&owner_id=6972928
でも、なんだろ、「運転」としてグッと来るものがこっちの方が上。

このトルク重量比で
0-60km/hが3秒はかからなか、くらい。
0-100km/hならギリ4秒台ってところだろうな。
DCT系なのだが、ビミョウに

「つないでまっせ!」

感があって、洗練度では6,7年前の車種なのに458イタリアが勝るかも?
停止からの出足もヘタクソのクラッチ操作感が少しあるが、
あれってローンチコントロールのせいなのかな?
でも、それも「愛嬌のうち」と思えてしまうんよね。

458イタリアでは4.5リッターV8で1万回転も回るのに対して、
これは1.7リッター直4で6500で赤ゾーン。
最大出力が6000rpmなので、まあ、それ以上回っても「回るだけ」になるが、
音におだてられる気分の高揚感みたいなのは比べられないだろう。
最高出力も半分以下だし(4Cで240ps、458イタリアは570ps@9000rpm)。

でもね、丁度いいんだよ。

試乗で6速を使う必要はほぼなかったが、
1-4速のギアの繋がりも、丁度トルクバンドに乗せたままにおけるし、
巡行で5速に落としてからの再加速もしっかりして案外使いやすい。
低圧低速稼働ターボだが、流行りの燃費重視的なだけのものではなく、
上がスカスカにならないのはベースのエンジンの素性の良さなのか、
うまい具合に下からアシストしてくれる過給器の効き具合とバランスがとれている感じ。
どこぞの買い物軽のターボを無理から使ったスッポ抜けるエンジンで
ご満悦されている方々は、一度乗ってみたらいいんじゃないかなあ(笑)。
こういうエンジンの特性こそ
「スポーツカーは絶対的な速さが全てじゃない」
と言うものだ。
あ、いや、実際は決して中庸止まりでもないし、
絶対的にもかなり速い部類なので、比較にならんか(笑)。

わたしは「3ペダルでないと」的MT信者でもないので、
AMT系も問題なく受け入れられる。
モード変更も、流石に隠しモードは使わなかったが
(モードスイッチを引いたまましばらくすると全切りのトラックモードになる)
スポーツモードとノーマルモードの使い分けもしやすそう。

流石にゴツゴツはしているが、かと言って跳ねるまでではなく、
路面への吸い付き感は十分で、しなやかさも感じる。
急な車線変更の収まりもよく、その辺は電子アシストの効果もあろうが
気分悪いケツの軽さもないし回頭性も、これまた「丁度いい」感じ。
シートはちょっと脇が甘いが、わたしはチビだから仕方ないかも?(苦笑)

個人的には一点豪華主義は大好きな人なのだが、
同時にこういう、決してトップにはなれないんだけど
85〜90点で完璧なバランス感を得る絶妙さも大好きである。


まあ、ネガティブ批評は世の中に存在するのだろうが、
わたしの操作感にはかなりピタッと適合するもので
大変気分良く走れる車であった。

唯一の問題は、スイッチのようなブレーキかな。
もうちっとストローク感を出して欲しいなあ。。。
あれはやり過ぎだなあ。アルファって全般的にそうなんだろうか?

※現行124は流石にマツダなのか、ブレーキタッチは全く別の方向だったけど。

カーボンモノコックは本当に理想剛体というか「質点」のような感じね。
この仕上がりで860万円そこそこのお値段ってのは
いい値付けではなかろうか。

確かに、それ以外のところの粗雑さは露見している。
ステアリングコラムの覆い部分は合成皮革っぽい感じで
フォト

金持ちに売るにはネガティブ点にならんかな?と思ったし、
フルLCDのメーターパネルの表示デザインが
妙に薄さを感じさせてしまうところもあった。
助手席足元のステップも、いいように見ればレーシーな雰囲気だが、
非装飾のアルミ板をネジ止めしているだけで、
フォト

隙間から奥の空間が見えてしまう。
この隙間に小物を落とし込んだら、取るのが大変そうね(苦笑)。

トランクも、かなり小型のピギーバッグくらいは入るが、
フォト

「最低限」感覚は否めない。

後方視界も決して「いい」なんて言えないし、
サイドミラーの内側下斜め半分はエアインテークが被ってしまって
もうちょっとステーを伸ばして上げてくれたらなあ、とか思うところもあった。

エアコンもいちいち手で調整しなければいけないマニュアルタイプだし、
街乗りじゃ乗り降りだってしづらいサイドシルの幅だし、
もう少し出して1000万円前後を出せば、
同程度の動力性能を保ったままでもっと快適なドライブが出来る車種も
たくさんあるのではないかと思われる。

でもねえ、走りに関しては決定的な「不満」が出ないんだ。

珍しくビタッと来たねえ。これ。



、、、ああ、でも、趣味車にホンダS600を手放してまで欲しいかというと、
残念ながらそこまでは行かなかった。

※まあ、S600には「実用車として世に送り出された車」として見る視点もあるし、
 根本的にカテゴリが違うだろって言われると、そうなのだが。

味の面では、黎明期の苦労がにじみ出る機械にはなかなか勝てんわ。
ヨレヨレの車体に、不安な耐久性と4Cが十分快適に感じるキャビン、
仕方なくぶん回さないといけなかっただけの未熟な技術のエンジンでも、
グッとくるものに埋められないギャップがあるんよねえ。

そこをなんとか解明して、商品に反映してくれることってあるんだろうか。

やっぱりなんか「不便」とか「使いにくさ」ってのが必要なんじゃないか?
そこを工夫して乗れることが脳内の快楽物質の素なんだろうな。
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