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2016年12月03日03:39

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日産 NOTE e-POWER

大体は各種報道、評論家やブログが書いている通りなのだが、
実際に乗ってみると、これが面白いな(嬉)。
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NOTE e-Power は内燃機関エンジンは発電機を回すだけで、
動力軸とは力学的には繋がっていない構造を持つ。

BMW i3のレンジエキスパンダーも動力軸は回さないが、
あっちは電動機を回す蓄電池の充電は行わず、
電動機が消費する電力を低減する機能だけで、
主電源であるバッテリによわーい補助系統の電源を
並列に接続しただけのもの。

なので、メインのバッテリ残量が終わると
レンジエキスパンダの機能で充電して走り出すことは出来ない。

NOTE の方は、エンジンでまわした発電機の電気を
原則的にはバッテリ充電に使うもの。
高速加速や急な上り坂などの高負荷状態では
発電電力を充電に回さずに直接駆動モーターに供給して
i3と同じモードで2系統の電源の並列接続状態にする。

しかし、搭載エンジンの排気量はi3の倍のもので、
ガソリンエンジン走行モデルのNOTEと基本的に同じ。
エンジンの仕事量が単体でNOTEの車体を動かすに必要なレベルにあり、
発/充電機構が間に噛むことによる変換効率のロスの反面、
車速に限らず最大効率運転でエンジンを使用できるため
バッテリ残量がゼロになってしまうような状態には陥らずに
常に最低限必要な電荷をバッテリに残すようエンジンで充電し、
ガソリン給油さえすれば走り続けることが出来る、というものらしい。

ま、まだ最初の納車から3〜4週間程度しか経っていないので
本当に実用シーンの中で、エンジン発電をバッテリ充電に回す余裕がなく
常に発電と蓄電の両方を走行に使い続けなければいけない
高負荷状態が続いて、
バッテリ消費に発電制御が追いつかなくなる場が
出ないのかはわからないのだが、
日産の見積もりでは
「そんなことが続くような状態は、一般利用内ではあり得ない」
そうな。


まあ、とりあえず乗ってみた。

近所の府下の日産は合わせれば十軒程あるのだが、
試乗車を出している店は皆無。

府下日産は売る気がないのかな?

なので、府境を越えて奈良県側にて。
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スタート直後はエンジン不動で、
動き出した直後にエンジンが始動した。
しかし、街なかの普通の加速状態では比較的静かなエンジン音のまま
速度だけが上がっていく。

ああ、これこれ!

エンジン音と視覚的速度感の乖離が妙なのだが、
気持ち悪さは感じさせられずに、実に面白い。

i3だとレンジエクスパンダー使用モードで
エンジンが起動しているかどうかは注意していないとわからないのだが、
NOTEは最初のエンジン始動から音感的に2000〜2500rpmくらいは
回っている雰囲気で、不感症でもエンジン音は分かるだろうって感じ。

平坦地はこのような状況が続き、
ノロノロ走行程度でバッテリが満充電になったら
エンジンは停止する。
信号で停まるとアイドルストップ装着車のように無音になる。


ところが、登坂の高負荷状態になると、
エンジン音がスロットルに連動しているかのように
踏み込んだら音程と音量が上がってゆき、
戻すと連動して下がっていくような動きを見せる。

これが発電電力をそのまま駆動モーターに回していることからで、
車速が上がると必要な電力量が増えるので、
その分、発電機の回転も上げる必要があるからそうなるんだと。
力学的直結こそしていないが、論理的には直結のようなものである。
エンジンと発電機の間に変速機構が入っていないってことね。
まあ、発電/駆動機構に加えてトランスミッションまで備えると
重量的に苦しかろう。

加速の方は上記の様子なのだが、
平衡状態、あるいは減速でも面白い。
どこぞのスポーツカーメーカーを標榜したい会社のハイブリッドのように
アクセルオフで奇妙な空走に入ること無く、
アクセルを戻すと昨今の車の弛いエンジンブレーキを上回る
まあまあ強烈な回生ブレーキがかかる。

この辺も BMW i3 と同じだが、
不思議なことに、i3の時はこの回生ブレーキを叩く傾向の
感想や批評が多かったが、
NOTE e-POWER の場合は何故か好意的な意見を多く見るような気がする。

わたし的にはどちらにも好意的で、
日産のパンフレットが強調するように、
スロットルペダルだけで多くの速度制御が済ませられることを
大歓迎する。

しかも、ブレーキを踏まずに回生ブレーキだけで速度を0に出来る。

平坦地ではスロットルオフで放っておくと、普通に停まってしまう。
回生だけで停まると全くクリープしない。停まったまま。
弱い上り坂だと坂のために後退する。弱い下り坂だと坂のために前進する。
(但し、5%を超えるとヒルホールド機構が動くので、停まる)

ところが、一旦、軽くでもフットブレーキを踏んで離すと
クリープ現象の再現が行われるという
なんともノン・エルゴディックな動きを見せる。
フットブレーキで速度0にした場合も、

「ブレーキを踏んで離した時の速度が0」

という条件ではクリープが再現される。

一部のドライバにはこの不連続制御は不評かもしれないが、
わたし個人としては
クリープがある方が車に余計な動きの機会を与えることが嫌なので、
停止直前にフットブレーキを離して回生で止まらせれば
うっかりフットブレーキを離して車が前進してしまった、などということがなく
好感が持てるのである。

※停止時には平坦/坂に依らずサイドブレーキを引くので、
 乾燥路ではクリープに負けずに車は停まっているのだが、
 強雨下や雪上ではFF車はサイドブレーキは案外簡単に引きずって
 動いてしまう。


電動機の立ち上がり感も適度にアッテネータが効いていて自然だし、
一方、電動機のトルクフラット感も損なわずに
立ち上がりさえ過ぎればガソリン車より動力性能は高そう。

ハンドリングはキビキビではないが
普通の街乗りFFの範囲で、格別変なところもない。
スポーツカーを謳っていないんだから、これで十分だと思う。

回生でない力学ブレーキも、トヨタ/BMWのような変な初動のみの味ではなく、
踏力で利きを制御しやすいマージンがある。

「走る」ことそのものに関しては、なかなか感じのいい車である。

また発電機と電動機を備えた副次的なメリットかも知れないが、
フロントフード内のスペース不足から
フォト

従来の電装機器用の鉛蓄電池を後部荷室床下に移行したのも
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評価してもいいと思う


しかし、だ。
ここからは悪評価部分。

操作系に細かい課題を見てしまった。

まずはシフトレバーというのか、モードスティックというのか。
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写真のスティック手前に図示されているように、
強い下り坂用の回生モードが
通常ドライブモードと同じ右下逆L操作でトグル動作をする模様。

これに対し、トヨタ・ホンダは
単純にスティックを手前に引くと同様の下り坂回生モードになる。

、、、統一できんのか?コイツラは。。。

こういうのって、従来のMTのHゲートやATの直線タイプのセレクタと同じで

「同じ免許なら既得知識のみで惑わずに同じ操作で確実に動かせる」

ことこそ重要なんじゃないのかね?

航空機事業用では機種ごとに免許が変わるし、
免許が変わっても、操作を誤らないように
ギアダウンレバー(車輪を出すレバーね)などは同じ操作で
レバーヘッドも同じシンボルを持つ。

安全だ、勝手に停まる、自動だとか言う前に

「間違えない」

ことに対する執着が感じられないのは、何故?

※付け加えれば、トヨタ・日産の表記が 'B' なのに対し、ホンダは 'L'。
 どうしてそんな下らんところで自己主張しようとする?
 産業自体の黎明期ならまだしも、
 このカテゴリって十分長期に亘ってるよね。
 それで画期的に利用者理解が好転するような表記ならいいが。
 どうせやるなら、国内仕様には日本語で
 「坂道用ブレーキモード」
 とか
 「ATのLポジションの代わり」
 とまで書けば?(嗤)

また、このレバーの状態を表示するぱねるが
あまり大きくないセグメントLCDの透過型なんだよ。
透過型って、視認性は完全にバックライト頼りだし、
液晶通過時の減衰は無視できないし
コストをかけて余程高輝度でないと、安っぽいのでは
日中の太陽光が指す場では太刀打ちできない。

夕刻の低くなった日光が脇や後方から指すと
真っ黒になって全く見えないわけね。
ポジションを表すオレンジ点も小さすぎて
太陽光の方向云々以前に視認性は粗悪。
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Honda Owner's Day でコース試乗した
N-ONE Modulo X のシフトインジケーターもそうだったのだが、
見えない計器に意味はない。
なんぞマニュアルシフトパドルなんか付けてイキってみても
シフトポジションの把握に支障をきたす
「なんちゃってスポーツモデル」
と同じく、というかそれ以上に、
モードの確認手段を失うシーンが容易に観測できるような実装を
平気で行うなんてねえ。

セグメント型にしてもドットマトリックス型にしても
安っぽい見栄えにはなっても
それでも視認性を重視して反射散乱型LCDにするか、
もっとコストのかかっても高輝度バックライトのLCDかLEDにして
どんな環境でも「見える」ことが担保される計器を設計しろよな。


自動車メーカーって、なんか

「口だけ」

で、正義感ぶったこと言っても、全部ウソ、空っぽ、ってね(嗤)。

そういうのが、こういう些細なことから伺えてしまうんだよねえ。

前半で好評で上げておいたのだが、大変勿体無い感大爆発。


日産さん、
電動化や自動化を率先してせっせと進める姿勢も買うが、
もっとファンダメンタルなところで
もうちょっと頑張ってくれんかねえ(悔)。
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