（社会）いじめのターゲット

人をいじめる人間は、どういう人間をターゲットにしていじめるのだろう。いじめのターゲットに葛西りまさんが選ばれた理由は何なのだろう。ここが問題の本質を成していると思える。

例えばいじめのターゲットになりやすい性格として想像されるものに何があるか、ブレーンストーミング的にいろいろ仮説をだして検証してみたい。

（１）ネクラな人間がいじめのターゲットになりやすい。

葛西りまさんは手踊りを踊るのが大好きだった。彼女が手踊りを踊っているときの様は笑顔にあふれており、その姿は写真家の男性によって写真に納められると、市のコンテストの最高賞に入賞した。葛西りまさんがネクラな人間だったとは到底思えない。

（２）他の生徒から嫉妬されやすい人間がいじめのターゲットになりやすい。

これはありうるかもしれない。実際、私が中学１年のころ、一部の人間から「お前は頭がいいからといって気取っていやがる」のような難癖をつけられたことがある。その難癖をつけた人間は、クラスの中ではそれほど出来が悪いわけではないが、勉強では私にはかなわなかったレベルだ。その難癖をつけた生徒は、私に嫉妬していたことは間違いない。葛西りまさんは、クラスメイトの一部から嫉妬されていたかもしれない。

葛西りまさんのお父さんの剛さんは、学校側の情報提供のあり方に不信感を抱き、「謝罪を求めているのではなく、何があったのかを知りたいだけだ」と訴えている。しかし学校当局の問題の分析力は本当にお粗末だとしか言いようがない。葛西りまさんのクラスメイト全員に対し、徹底的な面接審問をするなどの行動をとったらどうか。その際、個々の生徒が安心して自己の体験の範囲で本当のことを率直にしゃべってもらうためのノウハウやテクニックを磨くべきだ。

【１１月７日の日本経済新聞の関連記事】

１１月７日（月曜日）の日本経済新聞に関連記事が載っていたので、書き留めておく。

いじめ「極めて濃厚」

　青森市立中２の葛西りまさん（１３）が８月にいじめ被害を訴えて自殺した問題で、「事実関係を調べている市教育委員会の「いじめ防止対策審議会」は６日の記者会見で、いじめの存在は「極めて濃厚」との見解を表明した。同級生らによる悪口を確認したことを理由に挙げた。詳細は月内にも発表したい意向を示した。
　審議会によると、中学校の全生徒を対象としたアンケートや、関係者の聞き取りで、りまさんがインターネットや学校内で「うざい」「きもい」「死ね」といった言葉を日常的に言われていたと確認したという。
　会長の櫛引素夫青森大教授は「聞き取りをするたびに思わぬ証言が出てくる。（遺族らに）きちんと説明できるよう、さらに調査をしないといけない」と述べた。審議会は有識者で構成し、いじめの有無や自殺との因果関係などを調べている。９月に初会合を開き、この日は大３回の会合だった。
　りまさんは２楽器の始業式の８月２５日、列車に飛び込んで亡くなった。

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■自殺したりまさんの父が訴え　「いじめをなくしたい」
(朝日新聞デジタル - 11月05日 01:41)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=4277302

いじめを訴える言葉を残し、８月に自殺した青森市の中学２年、葛西りまさん（当時１３）の父親剛さん（３８）が４日文部科学省を訪れ、いじめ問題に取り組むほかの遺族らとともに、再発防止を求める要望書を出した。「学校ではまだいじめが続いていると聞く。いじめをなくしたい。それが娘の願いだ。少しでもできることがあれば」と会見で語った。

　要望書は、いじめ防止対策推進法の見直し議論が進む中、いじめで自殺した子の遺族らでつくるＮＰＯ法人「ジェントルハートプロジェクト」がまとめた。いじめの発生後３日以内に全校生徒にアンケートをすることや、学校側が遺族と情報共有し、調査方法などに遺族の意見を積極的に取り入れること、いじめに特化した教員研修を義務づけることなどを求めている。

　青森市では第三者委員会が事実確認を進めているが、剛さんは、学校側の情報提供のあり方に不信感があるとして、「謝罪を求めているのではなく、何があったのかを知りたいだけだ」と訴えた。

　青森県黒石市の夏祭りの写真コンテストでは、生前にりまさんが写った作品が最高賞の市長賞に内定したが、取り消された。その後、剛さんは「娘の笑顔を世間に知ってもらい、いじめをなくしたい」とりまさんの写真や名前を公開。これを受けて市長は剛さんに謝罪し、「改めて市長賞を授与したい」と伝えた。