歩「さてさて第1回総攻撃に失敗した後の旅順攻略戦の状況デス」
榴「第1回総攻撃の唯一の戦果と言えるのが、盤龍山堡塁を占領したこと。乃木大将はこ
の盤龍山堡塁から、敵トーチカ前面まで塹壕を掘り進む作戦に切り替えようとしまし
た。8月30日に作戦会議が行われ、第1回総攻撃と同じく歩兵による突撃の意見を
抑え込んで、9月1日から作戦を実施しマシタ」
三「ロシア軍も日本軍が盤龍山堡塁を基点にすることは想定していて、8月30日にコン
ドラチェンコ少将の独断により、盤龍山堡塁を奪回すべく攻勢を仕掛けてきた」
歩「しかしこの攻勢は日本軍の抵抗により、兵力の30%近くを失い失敗に終わりマス」
榴「こうして日本軍は着々と塹壕建設を進め、9月中旬には計画分の塹壕建設を達成」
三「9月19日から日本軍はロシア軍要塞への攻撃を再開することになる」
歩「この第2回の攻撃では、かの二百三高地も攻撃目標に含まれることになりマス」
榴「さらに第1回総攻撃の失敗を受けて、大本営も有坂大佐の意見を取り入れ、28セン
チ榴弾砲を第三軍に送ることを決定して送り出していマス」
三「ここでの二百三高地攻撃は、陽動作戦の意味合いが強い。あくまでも本命は正面の東
鶏冠山や二龍山だった。画像の地図を見てもらいたい。黒い太線は鉄道。日本軍はこ
の鉄道沿いに本部を置いている。軍需物資は鉄道で運ばれてくるわけだから、当然の
処置じゃ。二百三高地はこの地図では爾霊山と記載されておるところじゃ」
歩「鉄道からはかなり離れたところにありマス。また二百三高地までのルートには道路ら
しい道路も無かったので、行軍も物資の移送も非常に困難。そのような理由から主攻
撃目標にはされなかったのデス」
三「旅順艦隊撃滅を願う海軍は、二百三高地を占領して着弾観測を行い、敵艦へ砲撃する
というのが最良と考え、二百三高地攻略を要請するようになったのじゃ」
歩「海軍側の都合はそうでも、陸戦の鉄則からすれば良策とは言えません。自陣の正面に
敵が居るのに、全然離れたところに主力を回すのは王道とは言えません」
榴「このあたりも含めて旅順攻略戦には、大本営・海軍・満州軍総司令部・現地の第三軍
と、それぞれが意見が異なり混乱気味だったデスネ〜」
ログインしてコメントを確認・投稿する