ジョセフ・フインダーGuilty Mindsを読んだ！

人気PI(私立探偵)ニコラス・ヘラーシリーズの３作目を読んだ。
非常に面白い、絶対のお薦めです。
ボストンに事務所「ヘラー・アソシエイツ」をかまえ、国家安全局に７年所属していたドロシーを調査担当に、秘書のジリアンの３人で活動している。
ボストン、全米でも最高の法律事務所から依頼が舞い込んだのだ。それもキング牧師と活動した法曹界の伝説の大物が直接会いたいと言ってきたのだ。
自分を慕う判事を助けてほしいという申し出だった。
それはワシントン最高裁の主任判事がセックススキャンダルに巻き込まれたのだ。
スキャンダルは判事がエスコートサービス、つまり高級コールガールとホテルに連泊したというものだった。それもベガスのカジノのオーナーの接待を受けたことを記事にすると、レポーターから電話があったのだ。事実を認めるか否か、４８時間以内に返事を求めてきたのだ。
その記事は「スランダーシート」サイトに出されるのだ。このサイトはクリントン、ルインスキー事件を報じた「ドラッジレポート」くらいの影響力を持っていたのだ。
そこでニックが呼ばれ、彼は直ちにワシントンに飛び、判事にあった。

Lies are my business.　They keep me employed.

判事はホテルに３連泊したことになっているが、連泊していないと。それもチェックインはしたが、部屋には入っていない。
ではなぜ、チェックインしたのか、それは連泊したことにして、病院に精神病の治療を受けるため極秘入院していたのだ。最高裁の判事が精神病の治療を受けたとなれば、職務が全うできるかと言うスキャンダルになりかねないからだった。
それをどこから洩れた情報かわからないが、リポーターはホテルの確認を取り、コールガールからの証言もあるというのだ。セックススキャンダルのほうが世間は喜ぶからだ。

ニックは事実を突き止めたが、リポーターは約束の時間よりも早く、情報をネットに拡散したのだ。
そこでニックはNYTやタイムに記事が出る前に、「スランダーシート」に乗り込み、記事取り消しの謝罪文を乗せるように要求したのだ。
ケネディの浮気も写真がなければ、NYT, タイムも報道しなったのだから、チャンスはあると。
判事はチェックインしたが、一度も部屋に入っていないことを、すなわち「入室キーが使用されていない」ことをコンピューターシステムで確認したのだ。
しかもそのコールガールがどこにいたのか？彼女は姿を隠していたが、ドロシーは流石、情報のプロ、コンピューターのハッキングで彼女のカードの使用記録を読み取ったのだ。
そして彼女が事件の前から、ミシシッピーにジェットで飛んでいたのだ。
その証拠を確実にしたのが、彼女が刑務所にいる姉を訪ねていたのだ。ジェット機に乗ったのが「彼女」とは限らないのだが、刑務所を訪ねた事実は証拠になったのだ。
その証拠を突き付けて、編集者に謝罪させ、「記事に誤りがあった」旨の謝罪文をネットで発表させた。
これで万事解決と思われたが、ここからが本番なのだ。
いったい誰がリークしたのか？判事を追い込んで得をするのは誰なのか、カジノのオーナーはどうして、どうからむのか。
そこへ、なんと一度もあったこともないコールガールから「助けてほしい」と言う電話が入るのだ。どうしてニック・ヘラーを知ったのか。
パートナーのドロシーは「きっと仕組まれた罠だ」というのだが、、。
ヘラーは彼女を助けようと動くのだが、いなくなり、彼女は殺されてしまうのだ。
彼女は何も知らなくて、エスコートサービスのボスに頼まれ、証言しただけだったのだが、、。

流石に、ジョセフ・フインダー、うまく書きますねえ！
スピーディな展開と予想外な背景には感心しました。上手いなあ！

ニック・ヘラーの「Vanished」、「Buried Secrets」の前作も面白いですからお読みください！お薦めです。
ジャック・リーチャーとニック・ヘラーが共演する短編Good $ Valuable Consideration
（２０１４）もブラックコーヒー好きで、陸軍出身の二人が、ボストンのバーで出会うこの話もイイ！　ヘラーも６ft２インチ、リーチャー６ft５インチか、高いなあ。

フインダーは実に日本通」でおどろく！今回はA Solid of Umami なんて言葉を
前作では寿司屋の屋号が「おじさん」だった。タラのにぎりを食べてたなあ！
｛磯じまん」を知ってるなんてびっくりだ！