日露戦争（41）

歩「ロシア太平洋艦隊は、旅順とウラジオストックに分かれていた、と以前あったけど、
　　ウラジオストックの艦隊はどういう行動をしていたのでしょう？」
三「太平洋艦隊は戦艦は旅順に居て、ウラジオストックには装甲巡洋艦３隻、防護巡洋艦
　　２隻、民間船を改造した仮装巡洋艦１隻。それと水雷艇という陣容だった」
榴「ウラジオストックは冬季は凍結してしまう港。日露開戦は２月だったから、当初は港
　　内でおとなしくしていたんでしょうか」
三「なんのなんの。全然おとなしくなんかしとらんわ。開戦早々、砕氷船によって氷を割
　　り巡洋艦４隻が出港。目的は日本艦隊の戦力を二分させ、旅順に戦力を集中させない
　　ための陽動じゃ。そのために日本近海で通商破壊戦を展開したのじゃ」
歩「通商破壊戦ということは民間船を狙ったということデスか？」
榴「２月１１日に津軽海峡で奈古浦丸が沈められてますねー」
三「その後も再三にわたり、日本近海に出没しては通商破壊を繰り返したのじゃ」
歩「日本側も３月６日には、装甲巡洋艦５隻でもってウラジオストック港砲撃などしまし
　　たが、その後も通商破壊戦は収まるどころかエスカレートして行きマシタ」
榴「４月下旬には、朝鮮の元山港を水雷艇で襲撃。五洋丸と荻の浦丸を沈め、沖合では日
　　本陸軍の輸送船金州丸を撃沈、と大暴れデス。春から初夏にかけて、日本海は濃霧が
　　発生しやすく、ウラジオストック艦隊は濃霧を利用して暴れ回りマス」
三「日本側はウラジオストック港砲撃を行った第二艦隊が、対処していたが広い海域に加
　　えて、霧に隠れている敵艦隊を全く補足できないでいたのじゃ」
歩「まさに『霧の艦隊』でゲスな。ここは一つ千早群像艦長に退治してもらいましょう」
榴「それ何のアルペジオやねん。ていうかこの時代、まだ潜水艦は戦力化されてないで」
三「第二艦隊司令官の上村彦之丞中将も対応に苦慮する日々じゃった。このように見てみ
　　るとウラジオストック艦隊は、本当に良い仕事している」
歩「ここまで日露戦争序盤の戦況を見てきたけど、陸軍はまずまずの結果を出しているけ
　　ど、海軍はあきまへんなあ」