三「2月10日、日本はロシアに対し正式に宣戦布告した」
榴「旅順港奇襲や仁川沖海戦は、宣戦布告よりも前に行われたわけですが」
歩「まあ宣戦布告してから、ドンパチ始めた戦争なんてほぼ皆無と言って良いわけだし」
三「ところがロシアの同盟国であるフランス、あるいはドイツといったところは、これを
卑劣な行為だとして日本を攻撃してきたんだね」
榴「当時のフランスやドイツの新聞は、日本の行為を相当口汚く罵っていますネー」
歩「これに真っ向から対立し、日本を擁護する論陣を張ったのが、イギリスとアメリカの
新聞デース。イギリスは日本の同盟国だから当然としても、最も強く日本を擁護した
のがアメリカだった、というのはちょっと意外な気がしマース」
三「アメリカの新聞は、フランスやドイツの主張をコテンパンに叩きのめしてしまった」
榴「日露戦争で必要になった軍事費の8割は、臨時発行した外債によって賄われましたが、
その外債を引き受けてくれたのもイギリスとアメリカでしたネー」
歩「おカネが無ければ戦争できまセーン。英米両国の協力が無ければ戦う事すら無理〜」
三「同盟国だったイギリスはともかく、アメリカがどうしてそこまで日本に協力的だった
のかというと。日本の外務省との間にある密約を交わしていたためだと言うね」
榴「この当時のアメリカは、ハワイを併合した後、米西戦争で勝利しグアムやフィリピン
を植民地として支配していました。狙いは本格的なアジア方面への進出デス」
歩「もちろん英仏独露も狙っている、中国大陸への進出にも意欲的になりました」
三「うむ、アメリカとしては日本がロシアの満州制圧を邪魔してくれるのならば、こんな
都合のよいことは無い。更に日本の外債を引き受けたのは、ユダヤ系金融機関。後に
リーマン・ブラザースとなった金融資本なんだが、メインスポンサーは当時のアメリ
カ鉄道王。彼が欲しかったのは、満州を走る東清鉄道とその南部支線の権利だった。
そこで外債引き受けの交換条件として、戦後の鉄道利権の50%を要求した」
榴「どうしてもカネの必要だった外務省はこれを飲むんだけど、外部には秘密にしてしま
ったんだよね。これが原因で戦後日米間で大問題になり、険悪化してしまいマース」
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