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2016年09月11日21:48

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「上を向いて歩こう」は名曲か

最近、ラジオでやたら「上を向いて歩こう」がかかる。

この曲は、日本の歌謡曲でビルボード1位になったことで
有名だが、
この曲、そんなにいい曲だろうか?

この曲で、いちばん引っかかるのはアレンジ、特に
和音進行である。

和声学で「連続五度」という禁則がある。
ドからソの音程を「五度」というのだが、この「五度」を
平行移動して、ドミソ→レファラとか、ドミソ→ソシレという進行を
「連続五度」といって禁じているのである。

バッハとかモーツァルトとかベートーヴェンの音楽は
当然、この「連続五度」を避けて書かれているのはいうまでもない。

で、「上を向いて歩こう」のはじめの8小節の和声を見ると、
(上がメロディで、その下が和音。連続五度に×をつけてみた)

ドドレミドラソ ドドレミドラソ  ドドレミ  ミソラ ラソラソミレ
ドミソ  ラドミ   ドミソ ラドミ   ドミソ ミソシ   ラドミ  ソシレ
    ×        ×        ×   ×   ×
 
ドドドラレ   レレドミ    ドド−ラ   ソミドラ   ドド−
ドミソ  レファラ ファラレ ミソシ ドミソ ファラド  ミソシ レファラ  ドミソ
×   ×            ×  ×   ×  ×   ×

たった8小節の中に11回の連続五度である。
テストに例えると、赤ペンで真っ赤になって返ってくるレベルだ。

特に
「(涙が、こぼ)れーないよう−−に」
での、ラドミ→ソシレ、と
その次の
「思い出すー」での
ドミソ→レファラは、ひどい。
センス、などの言い訳も、ここでは通用しないと思う。

「歌謡曲だから学問通りでなくても」というかもしれない。
しかし、いくら歌謡曲でも、これほどひどいのは
滅多にないのではないか?

ドミソひとつとってみても、ドミソ(基本形)、ミソド(第1転回型)
ソドミ(第2転回型)とあるのである。

3和音だけでなく、4和音(ソシレファなど)もある。
もちろん、不協和音も、条件付きで使える。

3和音や、4和音、不協和音などを上手に使うのが
上手なアレンジといえるのである。
3和音をひたすら平行移動するのは、下手なアレンジだと思う。

メロディも陳腐だし、この曲ぜんぜん良くないと思う。

なぜこの曲がビルボード1位になったか?

上を向いて歩こう ビルボード1位 1963年6月

1963年といえば、ビートルズのデビューアルバム
「Please please me」が出たばかりだし、
6月といえば「She loves you」はまだである。

ビートルズの人気が爆発する前なのだ。

なんか、タイミングが良かったような気がするのだが。


ビートルズ人気が爆発する前というと
はっきり言って、もう大昔の話だ。

それから50年たって、いい曲がたくさん生まれたのだから
「上を向いて〜」なんて、もう忘れてしまったほうが
良いのではないか?
そんな気がしてならない。

Sukiyaki - 上を向いて歩こう (Kyū Sakamoto, 坂本 九)
https://www.youtube.com/watch?v=bbH754gScuk


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