mixiユーザー(id:1506494)

2016年09月10日19:53

419 view

二期会公演 トリスタンとイゾルデ

意外なことに二期会ではこれが初演なのだそうです
ダブルキャストのどちらを選択するかについては、クルヴェナールの大沼徹君
ブランゲーネの加納悦子さんで決まりです
もう一方の組の池田香織さんのイゾルデも聴いてみたい気はするのですが
というのは、池田さんはどういうわけかワタシのところに足跡を付けてくださって
そればかりか、日記に「イイネ」を投じてくださったりするのです
もっとも、そのときは新国立劇場の「ラインの黄金」の日記に対してであって
ここでワタシは池田さんの歌唱を褒めたのですね

二期会が満を持しただけあって、今回の舞台はとても素敵でした
ライプツィヒ歌劇場との提携公演という事で、舞台装置は簡素で、といっても
三つの幕それぞれ壁と床の色を変えておりましたので、3倍用意してるのですね
脇役の衣装も、この色彩に合わせてあり(第一幕はブルー、第二幕は緑、最終
幕は灰色)、主役の二人は、基本的に赤ですが、第一幕はレンガ色、第二幕は
深紅、最終幕は色がくすんであずき色、といった具合です

そのほかには小道具はボートが一艘
これはリアルなボートではなく、というのは登場人物はボートの外の波の上でも
演技するので、孤独とか閉塞感とか、無謀な旅立ちの象徴なのでしょうね

でも、しちめんどくさい謎解きは放っておいて、ヴァーグナーの毒にどっぷり浸りました
やはり第二幕の二重唱にブランゲーネの警告が絡む場面は、食わず嫌いの
ヴァーグナー苦手という人も、宗旨替えする部分ではないでしょうか(ワタシも)

トリスタンを歌ったブライアン・レジスターは、第一幕の3分の2を過ぎたあたりで
突然声を失ってしまって、第二幕もオケにかき消されることが多くなった
果たして第三幕が始まる前に公演監督の大野徹也氏が「主役は体調不良ですが
このまま続けさせていただきます」と挨拶しました
最終幕はトリスタンが瀕死状態という設定ですから、何とかなるかなとは思ったものの
ちょっと手に汗を握ってしまいました(その分、クルヴェナールが大活躍)

それを除けば、オケの読響も第二幕のバンダが狩猟ホルンを吹くところ以外は
重厚にして豊麗な音で聞かせましたし、オーディオ的にも申し分ありませんでした
唯一、マルケ王は胴間声に加えて締まりのない歌唱で、マルケ王の苦悩を表現
するには力量不足と感じました(あくまでも個人の感想です)

先日の夏の夜の夢の惚れ薬と、ブランゲーネが故意に仕掛けた媚薬の関係(違い)
など、拝観しながら色々思うところはありましたが、キリがないので省略
マルケ王もフィリッポ2世も、ちょっとは歳をわきまえて若いものに譲ってやれよ
とか思ったのですが、これまた余計なことですね

第二幕を終わったところで7分押しで、カーテンコールを終えた終演は19時ちょうど
しかし恐れていたほど時間を持て余すこともなく、悠久な時の流れはやはり
ヴァーグナーですね
これで自信が付いたので、MET LVの来シーズン開幕のトリスタンとイゾルデも
聴きに行く気になりました(イゾルデがニーナ・ステンメ、マルケ王はルネ・パーペ、
指揮はサイモン・ラトルですから、これは聴き物でしょう)

時分どきでしたので、夕飯は上野駅ナカの「三代目たいめいけん」でオムライスと
国産粗びきハンバーグのコンビネーションにグラスワインの赤を奮発
1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2016年09月>
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930