三「マキシムの作った機関銃は、1分間あたり500発という発射速度を持っとった」
榴「最初に量産されたときは、.577/450というカートリッジを使用する仕様デシタ」
歩「このカートリッジは、イギリス軍が1871年に採用したマルティニ・ヘンリー銃で
使用されていたもので、11.6ミリ口径は明治維新の頃のスナイドル銃と同じや」
三「まあ結構古いカートリッジ、ちゅうことやな。まあ当時現役の歩兵用小銃の弾薬でも
あり、弾薬を統一するという意味からも軍としては当然の要求やった」
榴「しかしこの最初の量産タイプは、軍からはあまり評判がよろしくなかったそうやで」
歩「このカートリッジ、使用している火薬が黒色火薬だったんだよねー。なんたって古い
から。黒色火薬は発射時に多量の煙が発生するんだけど、機関銃となればもう」
三「まるで戦場でバーベキューパーティやってるようなもんで、盛大に煙が上がるわけ」
榴「敵には早々に発見されて、真っ先に大砲で狙われるし。それに煤もでるから、煤が原
因の動作不良も結構起きた。そんなこんなで、兵たちからはイマイチな評価だった」
歩「まあこのへんの問題は、後に無煙火薬を使ったカートリッジが登場して解決する」
三「黒色火薬時代でも、植民地制圧部隊からは評判が良かった。この当時イギリスはアフ
リカ大陸の制圧に熱心だった。アフリカ原住民は槍や弓で抵抗するんだけど、そうし
た相手には機関銃は凶悪なまでの威力を発揮した。ローデシア(現在のジンバブエ)
でのマタベレ族との戦闘では、イギリス兵50人、マタベレ族5000人以上という
戦いになったが、4挺のマキシム機関銃によりマタベレ族部隊を撃退した。近代国家
の軍隊相手だとつらいが、文明化されていない地域の軍勢相手なら無敵だった」
榴「撃たれたアフリカ原住民たちは、自分がどうしてやられたのかも理解できないままに
死んでいったんやろな〜。技術力の格差というのは残酷なもんやで」
歩「その後イギリスの歩兵銃も303ブリティッシュという、無煙火薬を使用したカート
リッジになったので、初期に起きた諸問題も解決に向かったんや」
三「もちろんロシア軍が使用したのは、モシン・ナガンで使用する7.62×54Rとい
うカートリッジを使うように改修されたものやった」
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