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2016年09月05日06:58

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日露戦争(22)

三「要塞作りは十八番のロシア軍。旅順要塞も非常に堅固なものだった。日本軍の用意し
  ていた攻城砲では効果が出ない、ということで切り札として登場したのが、もともと
  は海岸を守るための沿岸砲として造られた、28センチ榴弾砲やった」
榴「いよいよワイの登場やな。ワイが造られたんは1887年のこと。前にも出てきた、
  イタリアの砲兵少佐グリローはんの指導のもと、製作された大砲や。28センチ砲と
  いうのはもちろん製作当時は日本で一番大きな口径の砲やった」
歩「この大砲はイタリアの指導で造られたけど、そのイタリアも実はドイツのクルップ社
  から購入した砲をもとに自国で生産していたんやな。違いはクルップ社製は鋼鉄で出
  来ていたけど、鉄鋼業の技術が未熟だったイタリアでは、鋳鉄で造ったんや」
榴「ワイが鋳鉄製なんは、そういういきさつで、イタリアに倣ったので鋳鉄製になった」
三「ちなみにロシア軍は、大元のクルップ製の砲を持っていた。日本の28センチ砲弾は
  クルップ製の砲でも撃つことが出来た。なので日本が撃った砲弾のうち、不発だった
  弾をロシア軍がクルップ製の砲で撃ち返してきた、ということも実際にあったんや」
榴「ワイの砲重量は10.7トン。砲架台などを含めた全体の重量は33.6トンやで」
歩「重っ!よくもまあこんなものを、日本から遼東半島まで運んだもんやなあ」
榴「砲弾の重さは、218Kg。この重量で、コンクリートで固めたトーチカを粉砕や」
三「いずれにしても難攻不落の旅順要塞攻略は、この砲無しには不可能やったな」

三「さて陸戦用兵器の両横綱、小銃と大砲について書いてきたわけやが、この戦争ではそ
  れまでには無かった新兵器が投入され、その凄まじい威力を世界に知らしめた」
歩「機関銃!!あれは恐ろしい。恐ろしい兵器やで、ガクガクブルブル・・・」
榴「歩兵銃はん、えらい怖がりっぷりやな。なんぞエライ目にでも遭うたんか」
歩「そらもう。ワイを持っての銃剣突撃が日本軍得意の攻撃だったんやが、敵軍の機関銃
  掃射の前に、あっという間に屍の山や。たった2挺の機関銃によって、200人から
  なる歩兵一個大隊が全滅させられたこともあったんや」

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