限定つぶやきに写真を貼ったが、
わたしのアルトの2つめのサービス・キャンペーン(今回は四駆)で
Dから出てきた代車はSエネチャージ付きスペーシア。
グレードがTの双眼自動ブレーキ付きで
仕様上の重量870kgにR06Aターボ付きの26.8km/l(JC08)。
つぶやきでパッケージングのまやかしというか違和感に触れたが、
静的な部分はさておき、動的にはどうかいな?という話。
結論的には、やっぱりこの手の車は
早々に完全自動運転車に移行すべきだな、と。
無理してるよ、色んな面で。
燃費だの、排ガス性能だのという純機械的性能面に加えて、
静粛性だの、ノーテンキでも運転できる単純性とか
バカを相手に運転させる車を製作して売るのは無理がある(苦笑)。
まあ、運転自体の楽しみじゃなく、
ガキンチョを室内で放牧させながら楽に送り迎えをしたいわけで、
過剰なギクシャク感嫌いのためのCVTの必然なんだろうねえ。
更に、イラつくことも多かろうし、
機械ノイズは過剰に静かでないとセールスに響くんだろうなあ。
普通に走っているとエンジンがどう回っているのかさっぱり分からん。
エンジン音はやたら静かに作りすぎて聞こえんし、
変速比はわからんし。
同じ速度からじわっと加速をしようとしたら
その時のCVTの変速比は連続的にマチマチなので
挙動が全く違う。
想像以上に加速に移る場合と、
遊び部分を踏んでいるかのようにほぼ無反応で
じわっとではなく通常加速くらいの踏み込みまで踏み増さないと
加速しない場合と、踏んでみてフィードバックを得てからでないと分からない。
基本的にバカが常に加速「スイッチ」をベタっと踏む操作以外を
想定していないわけだ。
加速してみて加速しすぎだったら
スロットルペダルを外してブレーキを踏めばいい、ということなんだろうな。
これは望まずとも二値的操作に誘導されてしまうわ。
で、これにSエネチャージのアシストがつく。
じわっと加速ではSエネチャージは機能しないが、
普通に加速する場合には20〜30km/h程度の低速から中速の時に
結構頻繁に機能する。
アシストのon/off切り替え境界の制御はうまく出来ていて、
インジケーターを見ながらだからトルク感の変化を常に意識できるが、
そうでなければ路面の傾斜変化程度で起こりそうなトルク感変動の範囲内で
一旦「Sエネチャージのアシストが効く程度の加速」に移ったら
そのフェーズ内では自然。
アルトのCVT試乗車はSエネじゃなくてエネチャージのみだったので
CVTの加速躊躇が露骨だったが、
スペーシアはSエネチャージのアシストが効く範囲では随分改善感。
でも、逆に言えば、Sエネチャージの稼働しない程度の加速の場合、
相変わらずスロットルを踏んで加速モードの初期値に持ち込むために
一寸躊躇してから加速に移るこのCVTのテンポの悪さというか
肩透かしの食わせ方が相変わらず露骨に出る。
※エンジントルク一定のプーリー径変化で加速というCVTの理想制御ではなく、
実際はベルト温度管理上の問題から加速に従いエンジントルクを
逆にセーブするような制御を行うためだろうね。
なので、変にSエネチャージなんかついてない方がいいわ(苦笑)。
稼働するか稼働しないかで反応が変わるし、
稼働させる境界条件もまた走行中に咄嗟には判断できない。
やるなら常に動かせよ、って感じ。
タービンによる加給アシスト制御に絞ったほうがいいんじゃね?と思うが
多分、そこは燃費数値を少しでも絞り出したいからだろうなあ。
回生した電力を加速に回したほうがそりゃあ1%でも2%でも
効率は上がって燃費数値の改善にはなるしな。
燃費数値のために、繊細な制御ができないリニアリティの欠損を許すなんて。
うーん。
そりゃあ、こんな車で繊細な操作を求めても意味が無いから
余計に雑な運転者が育つわ。
更に、その回生動作がまた変。
時速20km/hを切ったら回生をやめて
何故かエンジンから駆動輪への力伝達のアニメーションがパネルに表示され、
実際にそこでブレーキに不連続性を感じ、制動力の減少がある。
時速20km/hで、だよ?
ロールスロイスのように3〜4km/h以下でブレーキブーストを抜くのなら
それは後席搭乗者の快適性を確保せんとしているものとして適しているが、
20km/hじゃあねえ。
多分、モーターの回生電圧がもはや20km/hで規定値以下になってしまうので、
十分下まで回生機能を発揮できないんだろうな。
鉄道車両の場合、回生電圧が得られない速度になると、
架線への回生をやめて抵抗器につなぎ変え、
発電電力を熱にして放棄してしまうことでもっと下まで発電ブレーキを効かせるが、
軽四で熱に耐える抵抗器を搭載するのも重量増になって無理だし、
発電ブレーキ動作までは実装できないんだろうね。
更にエンジンからのトルク伝達アニメ表示があるのは
エンスト防止の為だろうか?
トルクカット状態(矢印の出ない)の表示もあるんだよ。
でも、この場合は矢印アニメが表示されているし、
じわっとブレーキを踏むほど
実際にカクンとブレーキが抜けた感が強まるように
駆動輪を回している感があるんだ。
これもね。
ブレーキは常にカックンと踏むものだとすれば、
カックンとまでは踏まなくてもまあ踏力が中位以上あれば
逆に段差は目立たなっていくので、
「優しいブレーキ操作はむしろしてくれんなよ」
よスズキに言われているような感じ。
全てが
「車は乱雑に横着に乗りなさい」
と言われているような感じ。
ホンダよりましなのは、スロットルオフ時の空走感は弱く、
一応、即座にエンジンの抵抗感がある感触はある。
無論、それもその時のCVT比やエンジン回転数による運任せなので
厳密には予測しづらいのだが、
あのクラッチを無理やりにでも常に切られたような空走感怖さはない。
そこくらいかな?スズキCVTのいいことろは。
でもね、ここまでやって、平均燃費計の表示は
大阪府下郊外主要道の平日道路状況でせいぜい14km/l台。
瞬間燃費計でも加速時には4.5km/lとか平気で出るし、
スロットルオフの滑走状態でも行って最大34km/lを見たかな?って感じ。
わたしのAGSアルトなら
確実に50km/l(表示上限)に張り付いているような走行状況でも
そうならないのもまた不思議。
ホントに国交省のJC08カタログ燃費のまやかしもいい加減にしないと。
全体的に
「無理し過ぎて複雑化されすぎて、またそれが無理を産んで」
感がハンパない感じだった。
本当にこの複雑システムを活かしきるのは
別のシステムから構成された予測系の影響を一切受けない
人間を介さない独立計算機システムによる制御しかないのではないかね。
有段変速型のトランスミッションのつなぎ感は勿論完全排除出来たのだが、
それってそんなに不快か?
そんなに乗ったら必ず酔いますよってほどのショックか?
2速ATは流石に相当なカックンだったが、
CVT主流になる前は軽四でもOD付きで4速になったATがかなり主だったよね。
回生システムは実燃費上の効果として必須だとしても、
CVTくらいはやめてみたら、もうちっとヒステリシスの幅の少ない
まだ多少なりとも丁寧な操作にも合うシステムにならんかなあ。
※もしCVTが上述したように理想的な動作に至ってくれるならまた別だろうが、
結局カンカンになるベルト保護とオイルポンプ不可のために
理想動作には全然至ってないでしょ。だからCVTをやり玉に挙げたわけだが。
まあ、でも、小型化には有段変速機よりは寄与しているからだろう、
路線に乗ってしまうと自己呪縛に陥って、やめられないんだろうな。
やっぱり軽四って、安かろう悪かろうに回帰して、
多少快適性がなくても簡便軽快な生活ツールとして
一から見直すべきだよなあ、と、
スペーシアなんて代車が出てきたせいで
予期せずもしみじみと感じるこの8月終盤なのであった。
ログインしてコメントを確認・投稿する