三「国家予算の半分近くを注ぎこんで、実行された軍艦増強。主力である戦艦と装甲巡洋
艦の中で、最初に完成したのが戦艦富士と戦艦八島や。この2艦はもともと清との戦
争のために建造された艦やった」
榴「建造費を承認する/しないで大揉めに揉めたやつでんな」
三「そや。そのため建造が遅れてしまい、日清戦争には間に合わなんだ。完成したのは1
897年や。排水量12000トン、30センチ砲を4門積んだ強力艦や」
歩「清の定遠・鎮遠を倒すために造られた艦でんな。さすがに強力そうや」
榴「製造したのは富士が英テームズ社、八島が英アームストロング社でんな」
歩「なんや日本製や無いんかい」
三「そりゃあ無理っちゅうもんや。当時の日本にこんなフル装甲の艦を造る技術は無かっ
たんやで。日本が自前で戦艦クラスを造れるようになったんは、日露戦争後のことや」
榴「この時期の戦艦はどこの国も、1892年に就役したイギリス戦艦ロイヤル・サブリ
ンを模倣していて、この富士と八島も同様やった。なので同様にロイヤル・サブリン
を模倣しているロシア戦艦とも、互角に渡り合える艦だったわけデスナ」
三「富士、八島に続いて就役した主力艦は、装甲巡洋艦の浅間と常磐や」
歩「おお!装甲巡洋艦キター!!どんなスペックだったんや?」
三「排水量は9700トンで、8インチ(20.3センチ)砲が4門、15センチ速射砲
が14門ってとこやな。富士や八島に比べると艦も砲も小型やで」
榴「しかし巡洋艦だから速度は上だったのでは?」
三「富士、八島が速力18ノット、浅間、常磐は速力21.5ノットでんな」
歩「おお、やっぱ速いねえ」
三「この浅間と常磐は日本が発注した艦では無くて、アームストロング社が自主建造して
いた艦を買い上げたものだす」
榴「どこからも注文受けてないのに造っとったんか?」
歩「装甲巡洋艦は新しい艦種だから、造ればどこかが買うだろうと踏んでたのかねえ」
三「まあ現に日本が買ったわけだから、正しいマーケティングだったちゅうことかな」
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