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2016年07月27日19:03

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映画日誌「ブルックリン」

 アイルランドと言えば、かつて多くの人が新天地を求めてアメリカ大陸へ移住した、という歴史があるが、1950年代でも、まだまだアメリカに憧れを持つ人が多かったのか。
 何も未来の希望を感じなくなった一人の若い女性が、単身アメリカに渡り、支援してくれる人がいたこともあって、キャリアアップを目指し、恋人も出来て、幸せを掴むことになる。
 決してサクセスストーリーとは言えず、どちらかと言えば、ごくありきたりの話のようだが、突然の姉の死で、アイルランドに戻ることになってから、少しばかり心の変化、というよりは惑いが生じ始める。
 女性の心情というものは、男には理解しにくいところもあるのか?女性が観れば、主人公の気持ちも少しはわかるのかもしれないが、まあ、これが普通の女性、というものかもしれない。
 結末は、これで良かった、ということになるのだろうが、ごく普通の女性の若かりし頃の話、というのではつまらないストーリーになりそうなのに、結構味わい深さを感じさせられる。
 ごく何げない話のようながら、アイルランド移民のアメリカでの差別、女性の微妙な心理、村社会の怖さ、などが巧みに、さりげなく織り込まれているのが、中身の濃さを感じさせられる理由か。
 これは、やはり脚本の巧みさ、主人公を含めた役者の演技の上手さ、演出の巧みさがあってこそだろう。
★60点
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