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2016年07月04日01:15

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Have a nice day!の映画「モッシュピット」を観る

6月はじめに音楽喫茶でのミニコンサ−トを終えてから
ライヴ、映画、美術展など、いろいろ体験した。

ライヴでは、70歳になる盲目のヴァイオリニスト、
和波たかよしのショーソン「詩曲」が、高齢にも
かかわらず、高い技術と高い集中力に満ちた名演だったし
(6/26、シンフォニーホール)、
ピアニスト、エフゲニー・ザラフィアンツの、
超スローテンポの中で、歌うように弾かれるメロディと
美音は、技術的にも音楽的にも非常に参考になった。
(6/30、京都府民ホール、アルティ)

しかし、いちばん心に残ったのは
ヒップホップバンド、Have a nice day!の
ドキュメンタリー映画「モッシュピット」である。
(7/1、京都みなみ会館)

普段はMax100〜200人のライヴハウスで活躍している
Have a nice day!のヴォーカル、浅見北斗が
ニューアルバムの売り上げで得た100万円で
Max1000人のライヴハウス「リキッドルーム」での
ライヴ(フリーパーティ)を企画し、実現するまでの
ドキュメンタリー映画である。

記者会見で浅見と司会は正面切っていう。
「面白くない奴らがヒエラルキーの上にいて
優遇されてるなんてありえない」
社会や音楽業界に対する怒りを隠さないのだ。

この映画の中での、浅見北斗は
絶望しかない現実の中で必死で
苦しみもがいているように見えた。
100万円かけてフリーパーティをやるのである。
その先の展望があるわけでもない。

映画の中の浅見の独白が印象に残る。

「ブルーハーツの歌う『決して負けないチカラ』とは
いったい何だろうか?
オレは最近それが『信じる』ってことなんじゃないかって
思ってる。
とてもシンプルなことだけど
本当の意味でこれを手に入れることができる奴はごくわずかだ」

小さいライヴハウスでもがくように活動しながら
彼はこういう考えに到達するのである。

この映画の監督、岩淵弘樹もユニークな人だ。
『遭難フリーター』という、派遣社員として
キャノンの工場で働く自分自身のドキュメンタリー映画を
制作し、高い評価を得た。
その後、映像制作会社に就職するが、
なんと、「難しい仕事が苦痛だ」「イヤな仕事はやりたくない」
といって、せっかく得た社員の仕事を辞めてしまうのだ。

そして、介護職のかたわら、映画をつくっているのである。

浅見北斗といい、岩渕弘樹といい、
アンダーグラウンドでもがきながら活動をする人たちが
少しずつであるが、注目されつつある。

時代に取り残されないよう、自分もそれを見続けたい。

Have a Nice Day!「フォーエバーヤング」LIVE 2015.7.10


客席に裸の男がいるなど、かなりクレージーなライヴである。






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